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2022-06-03 00:00
(連載1)「政権交代」について
荒木 和博
特定失踪者問題調査会代表
大学の授業で学生の質問に政権交代についてのものがありました。日本は基本的に政権交代が起きない国です。細川連立政権や民主党政権が立った時期もありますが、基本的にはずっと保守系、自民党の政権が続いてきました。
お隣の国、韓国では、政権交代を何度も行っています。選挙による政権交代ではありませんけれども、1960年李承晩大統領が学生のデモをきっかけとして国民の強い批判を受けて、下野して亡命するという事件が起き、翌年には朴正煕将軍を中心とする軍部のクーデターでレギュラーな形ながら政権交代が起きました。その後には、1998 年からの金大中政権の政権交代もありました。金大中から盧武鉉と続いて、李明博政権に政権が移りました。李明博から朴槿恵へと政権が続いたものの朴槿恵が任期を務めきれずに文在寅政権に政権交代しました。さらに今回尹錫悦政権ということで、また政権交代です。日本とは打って変わって、韓国では政権交代は珍しいことではありません。
政権交代自体に正当性があるのであれば、いくら起ころうとも正しいということになります。逆に、日本みたいに変わらない国は変わらないのですが、政権に正当性があるのであれば、政情が安定しているという見方ができるので、政権交代がないのも正しいということになります。ここで、日本で政権交代が起きないのはなぜかということを考えてみた方がいいのではないかと思います。韓国の場合は、地方議会選挙や首長選挙、すなわち市長や道知事の選挙でも政党対政党のぶつかり合いになります。日本みたいに候補者が無所属同士だったり地域政党だったりすることはありません。権力を巡る激しい争いをする韓国とそれぞれの人が居場所を得るための鍔迫り合いをする日本という政治環境の違いが出ているのかもしれません。
日本と韓国、どちらの方がいいとはなかなか言えませんが、政権交代もなさすぎるよりかはあった方がいいと思います。自公政権から政権交代した民主党政権には色々な問題があったと思いますし、批判を受けて然るべき部分が確かにありました。けれども、政権が変わったことによって、政権が変われば色々解決するんじゃないかということを実際にやってみることができたり、それまで決して表に出されることがなかったものが出てきたりという試みは、一応実現しました。特に、私は実は拉致問題についてそのような可能性について一番期待していました。当時の自公政権の拉致問題対策には限界を感じていましたから、拉致問題を進めるためには、これまで自民党政権では明らかにできなかったことを政権交代すればできるんではないかという風に期待をしました。残念ながら、期待したようには行かなかったのですが、一部は成功したともいえることは事実です。(つづく)
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