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2022-05-25 00:00
(連載2)マルコスJr.政権樹立でフィリピンどう変わる
岡本 裕明
海外事業経営者
この国民性が経済成長を阻んだ一つの理由なのだと思います。例えばここバンクーバーには巨大なフィリピンコミュニティがあります。私の会社にもフィリピン人の従業員はいますし、過去30年、ビジネスに於いてフィリピン人と接点がなかったことはないほどです。その多くの人たちは介護、清掃、ナニー、ホテル従業員といった職種を中心としたサービス業従事者です。つまり、何か生産するとか、組織だって何か事業を起こすという感じではありません。あくまでも個人契約ベースです。つまり、団結力はあまり感じられず、バラバラ感もあります。
さて、そのフィリピンの新大統領はドゥテルテ氏の路線を継ぐとのことですので、親中国体制になるとみられています。とすれば今後、南沙の問題などについてアメリカと立場を同じにするのか、中国に絡め取られるのか、ここは要注意のポイントになり、日本の外交方針にも大きく影響してくるでしょう。その重要な位置づけは中国の太平洋進出を防ぐ第一列島線であります。
この列島線は沖縄からスタートしますが、台湾は列島線の中国側にあるのに対してフィリピンは外側にあります。また第二列島線との間に挟まるのがフィリピンということでアメリカにとって対中国の監視網、抵抗線としては極めて重要な存在であります。バイデン政権もこれから新政権と外交を開始するのだと思いますが、フィリピンはどうしても戦略上取り込まねばならない国家でしょう。但し、マルコスJr.氏に独裁色が強い性格であればバイデン氏の頭ごなし的なアプローチより、寄り添うスタイルの岸田首相が先に会談するほうが良い成果を生むと思います。可能ならば早い時期に岸田氏が会いに行くというが外交戦略上有効な一手だと考えています。
フィリピンは親日国でありますが、結局誰にでもとっつきやすい性格で明るい人が多いと思います。一方で若干の裏表があるのもその特徴です。特に「お金」を巡る話ではあまり良い印象を持たず、日本人からすれば多少のやりにくさはあるかもしれません。とはいえ、日本に近いなじみの国です。新政権は強力にフィリピン再構築を進め、日本とフィリピンのより緊密な外交関係の構築を目指してもらいたいものです。(おわり)
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