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2022-05-21 00:00
(連載2)対独戦勝記念日で見えたプーチンの「ナチ」観
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
「彼は(いつものように)アメリカ、北大西洋条約機構(NATO)、ウクライナ政府を批判した。それらの行動が、ロシアの安全を危険にさらしたと訴えた。また(いつものように)ウクライナの『ネオナチ』に言及した。ロシア当局者からもよく聞く主張だ。そうした人たちは、ウクライナが全体主義者や過激な国粋主義者、ナチのシンパに牛耳られているという根拠のない言説を定期的に発している」(2022年5月10日 BBC)ということだが、彼の演説からすれば「ネオナチ」は、ゼレンスキーだけではなくNATOやアメリカなどをすべて含むといえよう。
つまり、プーチン大統領のいう「ネオナチ」の正体は「民主主義」とか「欧米の旧西側諸国」ということになる。ナチスが「アーリア人至上主義」や「ホロコースト」を行った主体ではなく「ロシアに対して敵意を持っているすべての国(人)」というように定義づけられているのではないか。そのような定義であるとみてみると、彼の言動は腑に落ちる。つまり、プーチンが戦っている相手は「ウクライナ」ではなく「NATO」であるということになる。
それを感じたNATO諸国は、初めのうちは反応しなかったが24時間たって、一斉にロシア批判を行った。例えば、英国のベン・ウォレス国防相は9日、「プーチンとその取り巻きは77年前のファシズムを忠実に模倣し、全体主義の失敗を繰り返している」(2022年05月10日付読売新聞)と批判している。「自分たちがファシストであるから、他が鏡のようにファシズムに見えている」のである。
確かなことは、民主主義国や旧西側諸国からすればプーチンは「相容れない価値観」の持ち主であることであり、プーチンにとってもウクライナだけが戦う相手ではないということになる。では、この戦争を拡大させずに終わらせるためには何をしなければならないのか。今後手遅れになりかねない大きな問題になるのではないか。(おわり)
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