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2022-05-12 00:00
(連載2)第三次世界大戦を真剣に考えることから逃げてはならない
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
現に、ロシアは今回、日本に対して、5月4日の段階で日本の政界関係者やジャーナリスト、学者などに対して無期限の入国禁止を通知しました。岸田首相や林外務大臣などを入国禁止にするということは、一つには、外交交渉をする気がないといことであり、なおかつ、ジャーナリストや大学教授を混ぜたということは「言論の自由」「学問の自由」を認めないというメッセージということになります。つまり日本の価値観を否定したということであり、そして、外交交渉をしないということですから非友好を通り越して「敵国」同然と認めたということになるのです。単純に言って、状況さえ許せば、ロシアはいつ日本と一戦ことを構えてもおかしくはないという「威嚇」をしているようなものということになります。
では仮にロシアと日本が戦うことになるとすれば、例えば北海道というのが従来からの典型的な想定ですが、どうなるでしょうか。日本は北海道の自衛隊が北海道を守るということになりますが、北海道の置かれた場所から考えて西はロシア本土から、そして東からは北方領土から挟撃されることになります。アメリカ軍は安全保障条約があるにせよ、伝統的に日本においてはロシアを刺激するところに戦力をおいてきませんでしたから近くても来援は横須賀などからであり、北海道に援軍が到着するまでには2週間以上かかることになります。また、場合によっては核攻撃も予想されることから、北海道そのものにアメリカ軍が展開して戦うということはしないでしょう。他方、北海道で多くの土地を所有する「ロシアの友好国」である中国はどのような動きをするのでしょうか。本来ならばこの問題を深刻に考えるべきでしょうが、少なくとも岸田内閣は、外遊中の発言を見ても平和を訴えるだけで、ロシアや中国の脅威に政権として新たな施策はなくこれといって備えていないのです。イチから万事、例えば憲法改正にしても「審議する」というだけで成果が見える行動を起こさないのです。これで日本は大丈夫なのでしょうか。
日本はまず、中露とも欧米とも異なる「日本の置かれた世界の中の立場」を正確に理解し、なおかつ日本の動きがどう周囲の情勢に影響するのかしっかりと見極めるべきではないかと思います。欧米に誘われるままに歩調を合わせるのではなく、情報をしっかりと分析し、なおかつ、80年前の敗戦で固まった戦争の概念を捨てて、何が安全保障上のリスクなのか、近年の香港やウイグル、クリミア半島、ウクライナなどの例を再解釈すべきではないかと考えます。
人類史は戦争の歴史でもあります。第三次世界大戦はいずれ行われるでしょう。そして第三次世界大戦になれば、日本は確実に巻き込まれます。「第三次世界大戦は避けなければならない」で思考を止めるのではなく、それを踏まえて日本はどのように行動すべきか、どのようにして生き残るのか。そのことから目を背けず、もっと真剣に考えるべきではないでしょうか。(おわり)
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