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2022-04-22 00:00
(連載2)パキスタン首相の失職と日本の政情
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
しかし、そのようにしてしまうと、逆に、ロシアに依存していた経済が悪化し、経済がうまく進まなくなる。それが行くところまで行くとカーン氏のようなことになる。政治経済をどのように回してゆくのかということと、ロシア・ウクライナ情勢をしっかりと見極めて外交をするということは、実はリンクしているという一例だ。
さて、日本である。資源の問題、特に地下資源におけるサハリンプロジェクトなどはそのままにして、つまり、資金を援助しながら、他方ウクライナの件でロシアを非難するということを行っている。資金を出すということは、ロシアの戦争原資になることを意味している。実に相反する内容であるのだが、残念ながらそのことに矛盾を感じる日本人は少ない。当然にウクライナへの侵攻によって、経済が悪化していることが見えていない。
つまり、ロシアを支援している国が今回の事態の一つの遠因になり、その遠因の一つに日本が入ってしまっているということだ。岸田首相はロシアとの経済関係に対する慎重姿勢について「理解を求める」と言うが、そもそも、岸田文雄として、日本政府として、対ロシア外交をどのようにするのか、ということが定かではない。その説明もしないで、現象を理解しろというのは、なかなか困ったものである。特に地震などの自然災害的に突発する性質の事柄ではなく、2月24日からすでに1カ月、その前のベラルーシでの演習を含めれば、3~4カ月、ドンバス戦争からすれば2014年から、このことは予想されていたはずであるが、鳩が豆鉄砲を食ったような言行である。そのことについて全く触れずに眼の前の現象だけを言い、パキスタンのように、首相がそのまま居座っているというのはなかなか興味深い。
まあ、国民に伝えることができていないという点では、マスコミやメディアも同じで、現地において取材が十分にされていないのはその一例だろう。何が起きているかが見えていない状況であるにも関わらず、つまり、因果関係が見えていない状況で、経済の悪化だけが国民の目の前に現れている。政治はこの責任をどのように果たすのか。結果責任を取るというだけではない。そのようになった説明をしっかりと行うべきではないのかと思うのは、私だけではあるまい。(おわり)
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