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2022-04-16 00:00
ウクライナ戦争で変わる中国
古村 治彦
愛知大学国際問題研究所客員研究員
ウクライナ戦争は膠着状態に入り、欧米諸国はロシア軍の戦争犯罪を糾弾する姿勢を取っている。アメリカのジョー・バイデン大統領は「ロシアのウラジミール・プーティンは虐殺者であり、戦争犯罪人なので裁判を受けさせる」と述べている。どのような形の裁判を行うのかということは全くの不明確だが、国際刑事裁判所(International Criminal Court、ICC)に提訴する意図があるがもしれないが、アメリカはICCによるアメリカ国民の訴追に反対し、基本法となるローマ条約に署名していない。一体どうやろうというのか。
ウクライナ戦争によって世界規模で物流が混乱し、食料やエネルギー不足の懸念が高まっている。ロシアやウクライナで多く生産される小麦の生産や輸入が減少すれば自然とそういうことになる。農業生産は1年で2倍に増やすというようなことはできない。原産は可能であるが増産は困難である。アメリカではロシア製の肥料が手に入らない状況でさく付け状況が悪くなるということが予想されている。
そうした中で、興味深い動きを見せているのが中国だ。中国は最近になって、世界の動きと逆行するかのように、新型コロナウイルス感染拡大を理由にして都市のロックダウンを始めている。しかし、その数を見てみると、絶対数で見てみても人口比で見てみても、ロックダウンが必要な数字とは思われない。過剰な反応のように思われる。しかし、ここで「戦時体制への移行」という補助線を引くと分かりやすい。中国ではこれからの大動乱に向けて、戦時体制への移行が始まっている。食料は配給制になり、厳しくカロリー計算に基づいた制限がなされ、「過食」「飽食」「食料廃棄」が制限されるようになるだろう。そのためのスタートとして最大都市である上海でロックダウンを開始し、食糧配給の「訓練」が始まっていると見ることができる。食料価格の高騰が懸念される中で、一部の富裕層に食料が集中しないように、公平に食料を分配するということが実施されるだろう。
中国はロシアからの食糧やエネルギー輸入を止めないので西側諸国のように急激な影響を受けることは少ないだろう。しかし、中国まで巻き込まれるような大動乱が起きる可能性はある。中国政府最高幹部クラスはそのように考えているのだろう。私たちも大動乱に備えて長期保存可能な食料をある程度備蓄しておくというような自衛策を取ることが必要になるだろう。
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