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2022-04-09 00:00
(連載2)参議院選挙の見通しと各党の思惑
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
立憲民主党の票は大きく分けて三つに分かれる。一つは議員個人の持ち票である。つまり「議員のファン」であり、その議員がどの政党に行こうと、地元で応援するというような人々だ。後援会などがその中心になる。次に、「反自民投票」である。この人々は「自民党でなければよい」という人である。そのような人々が日本維新の会に動く。そして最後が「反日左翼票」である。反日左翼ではあるが、しかし共産党ではない層の受け皿は立憲民主党が担ってきた。そのような人々は、前回の総選挙では「れいわ新選組」に投票が流れている。前の総選挙で「れいわ現象」といわれたものだ。要するに、「立憲民主党」の票は、議員固有票飲みになるということになろう。
かつての野党第一党であった社会民主党は、すでに衆参に1議席ずつを残すのみで、誰も見向きもしない状況になってしまった。それでも団塊の世代などが無くなるまでは何とか1議席くらいは獲得できるのではないか。
自民党はどうなるのであろうか。自民党の票構成は、「保守」「リベラル」「議員固有票」ということになる。この中で「保守」もっと言えば「右翼票」というものが、安倍首相時代の根本的な力の源泉となっていた。岸田内閣はしばらく安定した世論の支持を受けているが、中国やロシアの動きが不穏である現在において、「リベラル」はあまり日本ではうけないのではないかと見ている。明治時代、大陸の権益がロシアによって脅かされていた時期、伊藤博文をはじめとする「日露協商派」といわれる平和主義者、つまり、日本の固有の主権などを守ることなく、単純に戦争をしないという選択肢を選ぶ人々と、「日露戦争派」つまり、桂太郎などをはじめとする人々がいた。日本の多くの国民は、「臥薪嘗胆」の合言葉から、桂太郎側を支持し、そして、その内閣の指導のもと国民の意志の結集が必要な総力戦を有効に実施した。このように日本は重大な物事を決断するときには精神性を重視し、安易な妥協を好まない国民性を持っている。それを思えば、このような混沌とした時期に「平和主義・リベラル思想、日本が妥協をしなければならない政治選択」は基本的には、望まれないのではないか。このような状況から、岸田内閣に対しては自民党支持の保守派からかなり厳しい声が出てきている。実際に、おひざ元の広島では自民党は候補者を出すこともままならなかった。
さて今後、立憲民主党は、野党第一党として連合などの支持を取り付け、信用を回復できるのか。また、自民党はリベラル的な外交を排除して国民の望む内容で物事を進めることができるのか。その一つの目安が「憲法改正」ということになるのではないか。来年度予算が決まったこの時期に、このような政局を読むことによって、今後の政治を見てゆかなければならない。(おわり)
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