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2022-03-31 00:00
(連載1)ポストコロナで世界経済に春が来るか
岡本 裕明
海外事業経営者
現在のオミクロン株は末期に入ってきたように感じますが、地域により見事に状況が違っています。欧米は数字の上では収束に向かって着実に改善が進む一方、アジアは日本がいち早くピークアウトしたものの新規感染者数の減少数はゆっくりとしたペースです。また、アジア全般を見渡すととんでもなく悪化しているところも見られます。お隣、韓国では3月18日には新規感染者40万人と世界でも最悪水準となっています。20日は33万人台となり、専門機関のピークアウト予想はほぼ的中しているようです。感染者急増していたベトナムでも先週は26万人ほどまで増え、ピークアウトが見えそうな状況です。これから相当悪化しそうなのが中国本土でロックダウンがあちらこちらで起きそうな状況です。また、比較的上手にコントロールしてきた台湾に上昇の兆候が見られ、ひょっとすると爆発的感染が起きるかもしれない状況です。
カナダではほぼ平常状態に戻っていますが、無症状の潜在的感染者は相当数いるはずで、それをあえて見つけ出そうとしていない、というのが正直なところです。ドライな考え方かもしれませんが、見えないものは掘り起こさない、という感じでしょうか。それが結局、抗体の壁を作ったのかもしれません。アメリカも同様で日本よりはるかに少ない新規感染者数というのは考え方やアプローチ方法が違う点もあるかと思います。
一方、中国のように政策的にロックダウンを繰り返し、「無菌室」のような状態を作ろうとしても菌はおのずと入ってくるためいたちごっことなり今後、中国政府の対応はかなり苦労するのではないかと思います。うまくやってきたシンガポールも2月下旬にかけて感染者が急増、結局、どの国も一度はオミクロンピークを経験せざるを得なかったのではないか、とみています。
さて、日本は入国制限を大幅に緩和したこともあり、外国人の入国に沸いています。私が経営する東京のシェアハウス事業でも外国からの問い合わせが急増しており、「4月頃に日本にいく」という待ちに待った人たちの大きな動きが見て取れます。併せて日本人の移動も始まっています。コロナ禍で2年ほど、引っ越しを控えていた層がようやく動けることで通常の3月の引っ越し時期とは違った展開が見込まれています。人が動くことは経済に直結することですので個人的にはよい傾向だと思っています。(つづく)
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