ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2022-03-23 00:00
(連載2)民主主義陣営を覚醒させたプーチンの侵略戦争
中村 仁
元全国紙記者
中国はロシアと固い連帯を結び、ウクライナ戦争で最も有利なポジションに立ちつつある。傷だらけになったプーチンはますます中国の支援を求め、米欧日は波状的な対ロ制裁で負の影響を受ける。中国は笑みを浮かべる。ウクライナに親露の傀儡政権が樹立され、中国頼みのプーチンが生き残れば、民主主義陣営にとって最悪の将来が待っていることになります。習近平専制独裁政権がますます影響力を拡大する。台湾統一攻勢をかけてくると、日本に直接的な影響が及びます。アジアが次のウクライナになる。
ウクライナ戦争の停戦にとどまらず、プーチンの排除が不可欠です。ロシア自身もプーチンの時代を幕引きするチャンスがきたととらえるべきです。スウェーデンの調査機関によると、「民主主義国は87か国、非民主主義国は92か国」で18年ぶりにその数が逆転(2019年)したといいます。英エコノミスト紙系の調査(18年)では、「完全民主主義国75か国、欠陥民主主義国52か国、独裁国家52か国」だそうです。民主主義国家は「意見が多様化しすぎ、議会も割れ、基本的政策を決められない政治」という欠陥を指摘されます。東西冷戦の終結でソ連が崩壊し、民主主義の時代に入ったと自認しているうちに、形勢がおかしくなった。米国では、トランプ前大統領が米国の分裂を煽る政策を進め、支持者らが連邦議会を占拠しようとする行動をとるなど、民主主義自体の自壊が懸念されています。民主主義と両輪の市場経済が所得格差を拡大し、民主主義自体の基盤を危うくするなど、重大な欠陥が表面化しています。
最新号の月刊文春では、元外務省欧州局長が時代錯誤としか言いようのないプーチン礼賛論を披露しています。こんなことをこの時期に言うベテラン元外交官が日本にいるとは、驚きます。対談「プーチンの野望」で、「プーチンに対する最初の印象は『ボナパルト』で、フランスをまとめ上げていったナポレオンのイメージと重なった」、「ロシア、ウクライナ、ベラルーシをスラブ3兄弟とする見方には説得力がある」と。プーチンの残虐性を見て今頃、反省しているに違いない。
独裁者プーチンの残虐性を見せつけられ、民主主義陣営が恐怖を覚えたことは、民主主義国家にとっていい機会になります。中露の結束が強化され、習近平政治が外交にまで広がっていくと、ウクライナ戦争と比べものにならない危機が表面化する可能性が多分にあります。(おわり)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会