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2021-12-22 00:00
(連載1)きな臭いウクライナと台湾の問題
岡本 裕明
海外事業経営者
日本の報道でウクライナ問題が報じられることは少なく、注目されることもほとんどないと思います。かつてのソ連邦でその後、独立したウクライナはロシアとの確執が続き、2014年にクリミア半島をロシアが実効支配しています。形の上では地元の同意を得た「併合」となっていますが、同地域にロシア人が多く住んでいたことで住民がロシア併合を後押しし、実質的なウクライナの分断につながっているものです。
さてそのウクライナで再びきな臭い話が出ています。歴史的背景もありますが、トリガーの一つがウクライナのNATO加盟検討とされています。NATO(北大西洋条約機構)は1949年発足の対ソ連、ドイツ問題の対策としてアメリカを引き込んだ欧州諸国の安全保障の仕組みですが、現在はほぼ対ロシアのためにあるといってよいかと思います。そのNATOにウクライナが加盟することになればロシアとウクライナの関係は致命的に断絶します。それを防ぎたいロシアは国境付近に数万人のロシア軍を終結させ、この冬に決着をつけると意気込んでいる一方で、ブリンケン国務長官とラブロフ外相がスウェーデンで会談しすぐさまの軍事衝突はロシア側も望んでいないという言質を引き出しています。とはいえ、ラブロフ氏はロシアと国際社会を結ぶ数少ない接点でありますが、最終的にプーチン大統領の判断次第でどうにでもなります。
ロシアは経済制裁もあり、国内経済が厳しい。GDPは2013年にピークを付けた後、低迷が続き、2020年で2013年比、35%も下回っているのです。その国家運営は相変わらず強権発動型で、国内の不満分子は確実に増えています。となれば、外敵を強調しての国威発揚は選択肢の一つになり得ます。もう一つ、原油価格がここにきてピークから2割以上も急落したことも不満材料になります。なぜウクライナに冬の間に攻め込む理があるのかといえば、ロシアが供給する欧州向けのガスと石油に依存する欧州の首根っこを締め上げる効果が高いからというわけです。
さて、一方、地球の東側では中国の台湾問題が常に俎上に載せられます。最近では安倍元首相の台湾向けの講演内容で「台湾有事は日本の有事」と述べたことに中国側が強烈な反論をしました。中国外務省の会見を見ていましたが今回の怒りは相当なもので汪文斌報道官から湯気が出るほどでした。(つづく)
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