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2021-12-15 00:00
(連載2)日本のファンドレイジング、北米と大きな差
岡本 裕明
海外事業経営者
私も多額ではないですが、コンスタントにあちらこちらお金は出しています。個人選挙権はないけれどカナダの政党関係にも寄付はちょこちょこしています。コロナでイベントが少なくなっていますが、北米では秋から冬にかけてファンドレイジングパーティーが各方面で開催され、会場でオークションもしばしば見受けられます。企業などが提供した商品やサービスにサイレントオークションと称して商品の前においてある紙に自分の入札額を書き入れていくのです。パーティーの終わりにオークションの入札が締め切られ、最も高い金額を入れた人が落札します。この傾向は例えば価格が1万円とわかっている商品でも2万円とか3万円といった値が付くのです。商品そのものは企業からの寄付、つまり仕入れ無料で入札者が2-3万円で落札するのでその総額がイベントオーガナイザーに入る仕組みです。但し、オークションは政府の認可を受けた団体のみ許可されています。
では集めたお金は何処に行くのか、といえば当該団体の運営費もあるのですが、それを別の形でほかの団体や必要とされるところに資金を回すこともあります。つまり、NPOが行う寄付金集めで更にお金を必要とする別のNPOや団体に行くのです。お金は回る、と言いますが、この北米の寄付金の回り具合はすさまじいトリクルダウン効果があるともいえるのです。
私が支援するシニア向けのNPOは3年目になりますが、様々な寄付、英語でいうGrant(助成金)を頂いています。多分、この3年で5つぐらい。今、6つ目の申請をしています。規模はそれぞれ違いますが、10万円程度から500万円ぐらいまで様々です。それらのGrantは団体の方針に合致すれば割ととれる確率が高く、支援側も全体予算額が提示してあり、申し込み順に審査が行われ、支援金の予算を使い果たしたら終わり、という具合になっています。私が思うのはこの頂いている支援金の使い方です。闇雲な使い方をする団体も見受けられ、支援のありがたみが薄れていると思う時もありますが、概ね、皆さん、まじめにありがたく活用している傾向が見て取れます。
日本は支援と言えば政府が国家予算(=税金)を使った取り組みが多いと思います。北米は確かに個人収入や個人資産は日本より多いかもしれませんが、結構な額が社会還元されているという事実もまた理解すべきかと思います。寄付や福祉は宗教的背景があることも否定できません。仏教にも慈悲の心があるのですが、さて神道にはあったかどうか定かではありません。寄付一つとっても奥深いものです。福祉社会とか日本型社会主義を目指すとは言いますが、世知辛さも感じないわけではありません。(おわり)
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