ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2021-12-03 00:00
(連載2)林芳正外相で岸田内閣は大丈夫なのか
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
基本的には、そのように能力があるとは思えない林芳正氏を抜擢した背景には岸田内閣の外交姿勢が見え隠れする。そもそも、「お公家衆」といわれた宏池会は、タカ派的な外交を行うことは好まず、リベラル傾向も見え隠れする。自民党を左傾化させた張本人であるといって過言ではない。それでも、宏池会が大派閥になれたのは、一つには池田隼人氏の経済政策のすばらしさが現在でも評価されており、官僚との綿密なつながりを受け継いでいることが大きい。逆に言えば、現在の官僚の左傾化傾向は自民党の宏池会が作ったといって過言ではない。
岸田内閣の目指すところは「第二次高度経済成長」であり、これを実現するために中国経済を重視している。その意味で岸田内閣は公約実現のために親中傾向を持つのは自然ではじめからある程度は予期されていた。対中強硬派が内閣や党幹部の要職から遠のいているのもそのためだ。「テニスプレイヤーの人権問題」でも何のコメントも出さないし、中国の尖閣諸島進出に関して公式のコメントを出さないのも、気になるシグナルだ。
この状態で注目されたのが、外務大臣に就任し、アメリカよりも先に中国に出かけて行った林芳正氏が、王毅外相に「両国の基本的な信義に関わる重要な問題についてぶれず、後退せず、一線を越えないよう望む」(2021年11月19日付テレ朝news)とくぎを刺され、それに対して「相違を適切にコントロールし建設的で安定した日中関係の構築を進めていきたい」と返事したというのであるから完全に押し切られて帰ってきたようなものだ。話にならないではないか。
これでは自民党の支持層である反中的な保守層の支持を得ることはできない。また、来年の北京オリンピックの外交ボイコットなどをちらつかせるアメリカやイギリスと歩調を合わせられなければ、日本はアメリカから軽視されかねない。対米外交の不調はある意味対中外交のそれよりも問題が大きく、親米派なども岸田内閣支持から離れることになり、来年の7月の参議院選挙での大敗、ねじれ国会などということも最悪の場合は起きうるだろう。小泉政権の後、福田内閣が親中派で、ガタガタになったのを思い出すパターンだ。暗黒時代の入り口に立ってしまったということでなければよいのだが。(おわり)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会