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2021-12-02 00:00
(連載1)林芳正外相で岸田内閣は大丈夫なのか
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
岸田内閣は、実質的に11月に発足し始動したといって過言ではない。10月4日に第100代内閣総理大臣として内閣を編成したものの、すぐに解散総選挙であり、11月になって衆議院の勝利(議席数は減らしたが)をもとに、101代の内閣総理大臣として就任した。その時に、甘利明自民党幹事長が退任し、茂木敏充外務大臣を幹事長に移動させ、幹事長に林芳正元農林水産大臣を充てる人事を行った。もちろん、総選挙で落選した副大臣や政務官の交代も行っているのであるが、その辺は人事を詳しく見ていただければわかる話なのでここでは割愛する。
さて、この林芳正氏。父は林義郎元議員で宮沢内閣の時の大蔵大臣であるが、生粋の「親中派」として知られ日中友好会館の会長を務める。その息子である芳正氏も親中派で知られ、日中友好議員連盟の会長を歴任するなどをしている。もともとは三井物産などを経て政治家秘書となり1995年の参議院選挙で初当選をしている議員である。一応親しい議員の間の話では「性格は理知的で周囲の信頼が厚い」が、一方で「思い切りの良さや突破力に欠ける」とか「押しに弱い」「攻撃されると逃げる一方になる」などの指摘があり、基本的に海千山千の外交の場でうまくできるのかは疑問がある。
この人事を岸田内閣が行ったのは、基本的には宏池会の内部事情もあるだろう。岸田内閣の後の首相候補として林芳正氏が最有力となったという解釈だ。もともとは小野寺五典氏が防衛大臣として尖閣諸島問題や竹島問題、北朝鮮の不審船問題などで実績を示していたことから、茂木氏の後の外務大臣に推す声が上がっていた。林芳正氏は議員生活は長いものの参議院議員であることが出世においては課題で長年衆議院への鞍替えを虎視眈々と狙っており、今回の総選挙への出馬に際しては二階派の河村建夫議員を公認争いで無理やり引退させている。こういう背景があってのことなので、本来、二階派への遠慮して然るべきところだ。しかし、その辺の事情を無視して外務大臣につけており「党内融和」、特に二階派との確執を全く考えずに宏池会の中の事情を優先した姿が見える。そのようなことで大人事を行ってよいのか。
上記のような林芳正氏の性格から、林芳正氏については「内務官僚向き」であるという指摘も少なくない。確かに農林水産大臣などであれば、特に大きな問題はないし、また鳩山内閣の時に菅直人財務大臣をやり込めたエピソードが有名であるが、そのようなこともすべて「国内」もっと言えば永田町の中でしかない。ハードネゴシエーターであるかどうかということが最も重要な国務大臣なのである。(つづく)
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