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2021-11-28 00:00
(連載2)COP26と日本の石炭発電について
鈴木 馨祐
衆議院議員
そして「石炭が安価なエネルギー」という点。一つには再生可能エネルギー、特に洋上風力や地熱発電に正面から本気で向き合ってこなかったために、市場も形成できず技術的なブレークスルーを促せなかったことを背景に、日本は産炭国でもないにもかかわらず世界でも数少ない再生可能エネルギーの方が石炭発電よりも高い国になってしまっています。また東日本大震災以降、政府が石炭になぜか注力したために、以前検討していたパイプラインやイギリスのNBPのような天然ガスのハブを形成するような天然ガスに関する調達戦略をおざなりにした結果として、天然ガス価格が諸外国よりも高い状況を維持してしまっています。それに加えて、日本においては税制が相対的に石炭発電に有利な設計となっている点にも注意が必要です。
こうした日本のエネルギー戦略の歪みは、まさに何故か石炭発電に固執してきた経済産業省や経団連が創り出した人為的な過失と言っても過言ではありません。確かに今後のデータ駆動型社会においては電力の安定的かつ安価な供給は最重要課題の一つです。そのために多様な調達元を維持することが重要なことは私も認識しています。原子力発電や化石燃料による発電が過渡的に必要であることも理解しています。
しかしながら、そのことを口実にして、目の前のエネルギーミックスを維持し、将来に向けた方向性を明確に示さずに来てしまった結果として、「やらない理由」の議論に終始し、高い再生可能エネルギー価格、高い天然ガス価格、という状況を招き、その帰結として先進国の中で最後まで石炭に拘り続ける、という今の状況は明らかにおかしいと言わざるを得ません。
正確な事実認識に基づき、かつ民間のイノベーション力を信じて、政府がリスクを取りながら目指すべき未来からバックキャストして中期的(今であれば2040年)な具体的目標・計画を示すことでしか、現状を打破できる方法はありません。与党内にあって、未来の可能性を切り拓くエネルギー戦略を実現すべく、今後とも全力を尽くしてまいります。(おわり)
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