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2021-11-25 00:00
日本における台湾問題へのコメント
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
最近の報道は「台湾」でもちきりだ。24日の邦字紙は、米の議会報告書を読み解くとして、「米、党派を超え中国最大警戒」「(中国の)台湾進攻能力は予想以上」「(米の)戦略曖昧さ、マイナス」など激しい。2000年代初め、中国南部の広東省にしばらく滞在したが、同地域には台湾人のコミュニティーがあり、領事館的仕事もしていた。ときどき、政府から反日の踏み絵を迫られ、それに対応していたことを思い出す。いやだと言えば、牢獄に送られるし、企業の存続も許されないのだ。台湾はいま景気が良い、それは中国が存在するからだ。2021年前半の統計で、台湾の輸出先は中国が約40%、米が約14%、日本が約6%だ。その繁栄は、中国さまさまなのだ。米の台湾接近も、深読みすれば、台湾が中国を挑発して、台湾独立などの動きを封じるためでもある。また、各分野での対中対立の中で、重要な要素の先端半導体技術の取り込みも狙いなのだ。
台湾は、しきりに最近日本との友情を強調してもいる。国際社会でウブな日本人は、「台湾」びいきが多くなり、それはめでたいことであるし、東日本大震災での世界でもっとも多い200億円以上の台湾社会からの見舞金、昨年春の多量のマスクの寄贈など忘れるべきではない。ただ、盲目的に台湾万歳を叫ぶのはどうかと思うのだ。70年代4年ほど滞在したし、その後何度か訪台もしているが、今の台湾の対日感情が良好であっても、人々の心変わりは、激変するものなのだ。それはどこの国でも同じだが、特に小国においてはと、米国の知人が述べている。
米は、ご存じの通り、裏庭の中南米諸国との関係で頭を痛めている。彼は言う、例えばアルゼンチン、米国で何度も国債を売り、そして破産をして、米国の顧客にいつも大損させる。今や、中国とも手を組み、宇宙基地設置をもくろむ、中米諸国には、社会の安定を願い、多くの支援金を出してもいるが、米への不法移民の流れは続く。日本は、韓国と「慰安婦問題」「竹島問題」などでいがみ合いの最中で、「かっての韓国支援の通貨スワップを、あだで返しけしからん」などと述べているが、米の対中南米との関係はそれどころではないとのも言う。彼は、台湾、韓国は日本へシャム双生児のような関係でもある。いつ逆転してもおかしくないともいう。韓国の文政権の外交は支離滅裂で、まともに相手をしてはだめだとの日本の声もあるが、文大統領も、バイデン大統領も同じカトリック教徒なのだ、ともいう。
彼の話を聞き、最近読んだ専門誌「公研」11月号の、今、売れっ子の歴史学者、呉座勇一氏の原稿「身内との争い」で、「源頼朝の政治的軌跡を改めて検討して気づかされたことは、頼朝は必ずしも平家滅亡にこだわっていなかった。」「本来の敵と戦うより身内と戦うことに熱心になる現象は、歴史上しばしば見られる。太平洋戦争中の陸軍と海軍の争いーーーー(略)昨今での政治でも、衆院選より自民党総裁選」を思いださせる。
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