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2021-11-10 00:00
(連載1)国民発案の導入で若年層の政治参加を
倉西 雅子
政治学者
今般の衆議院選挙においても人目を引いたのは、若年層を対象に選挙への参加を勧めるキャンペーンです。誘導係として特に若年層に人気の高いタレントなども起用されており、何としても若者たちに投票所に足を運んでもらおうと懸命です。ここ数年来、若年層の投票率が低迷していることへの危機感からなのでしょう。しかしながら、真に若年層に政治に関心を持ってもらいたいのであるならば、‘投票しよう’ではなく、‘政策を立案しよう’なのではないかと思うのです(あるいは、‘法律を造ろう’)。
今日、若年層が政治に無関心である理由の一つとして挙げられるのは、政治との距離の遠さにあるように思えます。多くの若者たちにとりまして、政治家を職業として選ぶことは殆ど不可能に近く、政治家は、なりたくてもなれない職業の一つと言えましょう。何故ならば、政治家の顔ぶれを見ますと、世襲議員、元官僚、タレント、あるいは、特定の政治団体や宗教団体の活動家などが大多数を占めており、到底、身近な職業とはいえないからです。しかも、選挙に立候補するには国政レベルの選挙では300万円ほどの供託金を納める必要もありますので、事実上の‘財産制限’が設けられています。被選挙権とは、現実には、全ての国民が等しく行使できる権利ではないのです。政治家という職業は狭き門であり、若年層が政治に無関心になるのも頷けます。
その一方で、自ら行使できる政治的権利である選挙権の方は、虚無感に襲われがちです。全国民の内の1票、即ち、およそ1億分の1に過ぎないのですから。しかも、どの政党を見ましても、積極的に支持できるような政党も見当たりません。どの政党を選んでも、結局は何も変わらないのであれば、という諦めの境地に達する人も少なくないはずです。もっとも、‘それでは新しい政党を造ればよいのでは?’という意見もありましょうが、若年層に限定した政党を結党することは殆ど不可能ですので、結党による解決も困難です。このような状況下にあって若年層に政治参加を訴えても、その声は、空しく響くことにもなりましょう。
現状に鑑みれば、多くの若者が一票を投じるようになるには、先ずもって選挙制度を改革する必要があるのでしょうが、若年層、否、国民の多くが民主主義を実感するには、政治制度そのものにも関心を向ける必要があるように思えます。その一つが、国民発案、即ち、イニシャチブの導入ではないかと思うのです。(つづく)
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