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2021-11-04 00:00
(連載2)ビジネス目線で見る枝野幸男氏の敗因
岡本 裕明
海外事業経営者
枝野氏はビジネスでいう売り上げ至上主義だったのです。数を増やせば市場占有率が上がり、いつかは自分たちが一番になる、と。ならば売り上げを上げるならその中に毒だろうが劇薬だろうが何が混じっていても構わん、という最終戦争論理になっているのです。その時点でこのゲームは詰んでいます。ビジネスに於いて商品にクオリティがついてこないと「もう二度と買わない」と言われます。「奥さん、これすごくいいわよ」という口コミがあれば勝手に売れるようになります。つまり、数を先に考えるのではなく、質を上げ、自然とそれが選ばれるようにしなくてはいけなかったのです。
が、枝野氏は今回の選挙戦もライバル会社の製品をこき下ろす一方でした。ではお宅の製品は?と言われて政策を作ります。これが「1億総中流社会復活を」でした。自民が令和版所得倍増と言っていたのでそれに対抗したわけですが、キリンビールとアサヒビールのシェア戦争ではないのですから、頑強な自民の岩盤を崩すには自分たちがクラフトビール、いや、フレーバー付きアルコール炭酸飲料という全く違う切り口で攻めるぐらいの工夫が必要だったのです。
政治は数の論理か、といえば私は数は後からついてくるものだと思っています。今回の選挙でも各党の獲得議席数のみが大写しにされたのですが、そこに至る道のりは十分に検証されたとは言えません。事実、立民の敗北要因の一つは維新の大躍進でした。落選した辻元清美氏がいみじくも維新はたかが地方政党、眼中になかったという趣旨のことを述べています。全体を見れば維新の30議席増は自民と立民が献上したものです。数の理論から言えば選挙前の立民109議席と共産の12議席を足した121議席が減るはずがないのに選挙後には合わせて106議席、その減少数は15議席なので共産党の議席がそっくり無くなった以上の衝撃だったのです。
ビジネスでいう買収失敗でその投資額が全部無くなったのと同じです。これでは、企業なら社長は引責辞任でしょう。枝野氏の退任はこう見れば当然のことだったともいえるのです。野党はもっとしっかりしてもらわねば困ります。攻め方が甘く、過去のやり方に固執しすぎています。切り口を変え、野党として求められるものをしっかり見据えて与党を大いに刺激してもらいたいものです。(おわり)
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