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2021-10-21 00:00
邦字紙から考える中国、台湾情勢
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
いよいよ衆議院選挙が始まった。20日は紙面の多くはそれに割かれているが、筆者の興味がある中国、台湾関係の記事の感想を述べる。本欄でも議論されているが、中国経済に黄色信号がついた気配が強い。日本経済新聞は経営再建中の中国半導体大手の紫光集団の会議が開催され、事業の継承候補にアリババなど7陣営が選ばれたと発表があったと伝えている。今後の支援企業の選定基準は明らかではないが、政治の権力闘争との絡みも取りざたされている。同企業の背後には前国家主席・胡錦涛の息子との「関係」があるとの報道もあるそうだ。同じ日経に「対中技術規制 もたつく米」「輸出管理、政府が議会の要求拒否」の記事も目に付く。バイデン政権は、カナダで拘束されたファーウエイの副会長を解放したが、同社への禁輸措置は続ける方針。米は当初、対中技術規制で新興技術については、発展途上の重要技術を早い段階で輸出規制、基盤技術については、幅広く実用化されている技術で重要なものを再び規制することなどを考えていたが、米産業界などの反発が大きく頓挫している。
「幅広い品目を規制すれば、米国企業の競争力が落ちる」の記事で、ワシントンの通商弁護士は「議員はビジネスを理解していない」とも述べている。安全保障か競争力か、長年の難題だ。日本を含めた民主主義陣営はいまだ輸出管理政策の最適解を見つけられない。産経新聞は、「台湾防衛 バイデン外交正念場」との記事を載せている。台湾の双十節(建国記念日)が、ワシントンの台湾大使館にあたる駐米台北経済文化代表処で開かれた。今年は辛亥革命から110年の節目に当たるので、米政府高官のサプライズ参加があるかもしれないと内外の注目のまとだった。だがそれはなかった。米政権が台湾政策に関し、中国の武力侵攻から台湾を防衛する立場を明確にしない「戦略的曖昧さ」を堅持する立場を表明しているのも、「現状維持」が米国の国益にかなうとの認識を抱くからだ。
(しかしとして、同記事は言う)バイデン氏が副大統領として仕えたオバマ大統領は2013年、シリアのアサド政権が化学兵器を使用すれば軍事攻撃に踏み切る言明したにもかかわらず、実際には攻撃を手控えた。そんな弱腰姿勢を敵対諸国に見透かされ、14年のロシアによるクリミア半島併合の遠因をつくった。今回、中国による台湾への武力挑発が活発化したのも、バイデン政権がアフガニスタン駐留米軍の撤収に伴いガニ政権を早々に崩壊に追いやり米国の威信を傷つけ。逆に中国を勢いつかせたためだ。
毎日新聞夕刊は、大使館文化センターにあたる虎ノ門の台湾文化センターで、世界最長と言われる台湾の戒厳令(1949-87年)下で、反体制派とみなされた多数の市民が投獄、処刑される中、危険を顧みず政治犯の支援に奔走した日本のグループの活動の紹介が行われていることを紹介している。これは、今の中国と同じではないかと思う人もいるだろう。どこの国にも影の部分はあるのだ。筆者の台湾との経験では、それでも、台湾系の人と大陸からの外省系の人では、断然後者が信用でき、裏切らなかったのだ。もちろん時代が変わり、李登輝さんのような大人物が台湾にも出てきた。変化はめまぐるしいのだ。知り合いの米の学者も、中国大陸との関係で、彼らの米への見方はいまだラブ・アンド・ヘイトだと言う。米への留学生はあまり変化はしていないそうだ。貿易もかえって増えている。情報が確かではないが、習近平のお嬢さんは、また密かに米へ来ているとのうわさもあるそうだ。産経新聞は朝刊で、北朝鮮が19日、潜水艦発射弾道ミサイルSLBMを発射した旨報道し、北、バイデン政権の出方探る。「短距離なら容認」判断かとの記事を載せている。
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