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2021-10-13 00:00
(連載2)地球温暖化と世界的な資源価格高騰
岡本 裕明
海外事業経営者
原油価格は7年ぶりの価格を付け、ニューヨーク市場では79㌦台となっています。私は昨年、原油価格がマイナスをつけた際、直後に原油関連株とガス関連に結構な投資をしたのでポジショントークのように聞こえるかもしれませんが、まだ上がるというより上がらざるを得ない状況にあるとみています。今回、市場を狂わせている一つの原因は中国にあります。中国が石炭発電を絞っており、その代替化がスムーズでないことが大きな理由です。中国では確かに再エネ発電が急速に伸びているのですが、いかんせん国家のガタイが大きいこの国は経済成長する分だけエネルギー消費量も当然増えます。2020年の世界の石炭発電の53%、77テラワット時を中国が占める事態にあるわけで、石炭発電を減らすといっても一筋縄ではありません。
そこで中国は不足分を液化天然ガスにシフトしようとしていますが、これには生産限界があります。需要サイドも欧州がロシア経由のガスでは賄いきれないため、アメリカを含めた各地から調達に急いでいます。これが天然ガス価格暴騰の理由です。そうなるとそれ以外の国ではスポット価格がみるみるうちに上昇する状態となり、買い負けが起きます。となれば、天然ガスを入手するのが難しくなるため、やむを得ず原油の調達を増やすというのが現状です。
つまり、皮肉なことに真鍋先生が温暖化の理論を発表したことで最もよくないとされる石炭発電が矢面に立たされ、再エネも進めたいけれど現実解は液化天然ガスが一番よい、となり、奪い合いになったということです。石油ショックの際のトイレットペーパー事件なんて比較にならない話です。
この話、とどまるところがあるのか、というのが私の純粋な疑問です。答えに窮するでしょう。真鍋氏がノーベル賞を取ればより温暖化に対する人類の気持ちは高まります。冬に向かい、暖房の需要もあります。しかし、液化天然ガスを日本がスポット買いする必要があるならかなり厳しいでしょう。原油の値段は上がったといってもかつて100㌦を超えていた時に比べればまだまし、ということで最後のよりどころになる、というのが私の読みです。これぞカオスと言わずしてなんというのでしょうか?世の中、無常です。(おわり)
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