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2021-10-12 00:00
(連載1)地球温暖化と世界的な資源価格高騰
岡本 裕明
海外事業経営者
アメリカ、プリンストン大学の真鍋淑郎氏が物理学賞としては極めて異例の気候変動の研究成果を称えられ、ノーベル賞受賞が決まりました。素晴らしい快挙です。日系人ですので日本のノーベル賞のカウントにはなりませんが、移民一世であり、日本人のブラッドをお持ちの方にお見受けします。おめでとうございます。この真鍋氏がノーベル賞の過去の歴史の流れを変えてでも物理学賞の受賞者になりえたのは世の中が温暖化問題について最大の関心を持ち、カーボンゼロを唱え、社会の仕組みそのものを変える源泉の研究をされたからです。
真鍋氏は太陽から入る熱と地球から出る熱の収支を数値化する方法を示した方です。もちろん、現在でも様々な意見がありますが、少なくとも骨格となる論理を作り、多数の科学者や専門家がその理論を支持している以上、画期的成果なのでしょう。また物理学賞というとなかなか一般人にはなじみが少ない研究が多い中で今回は多くの人が「なるほど」と思える形での受賞だったと思います。その意味ではスウェーデン王立科学アカデミーは粋だったともいえそうです。
さて、そのような嬉しい話とは裏腹にここにきて資源価格の高騰ぶりには目を見張るものがあります。資源が上がれば他のモノの価格に波及するわけですが、私が北米で生活をしている限りでもこの1年、高くなったなぁ、と切実に感じるものがあります。私の消費はどうしても生活必需品が主体になりますが、肌感覚では10-20%は確実に上がっている感じがします。
いわゆるインフレ率というのは非常に広い範囲の物品に対して荷重をかけた計算方法をとりますが、一般人の日常生活ではごく決まったモノの消費を繰り返しているケースがほとんどです。その中で食料品や光熱費の支払いは必須です。テクノロジー絡みのサービス(通信など)は技術革新で価格を抑える余地があるものの資源は需要が偏れば当然、しわ寄せがくるものです。(つづく)
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