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2021-10-02 00:00
9.11テロから20年
鈴木 馨祐
前外務副大臣
今年の9月11日は、あの同時多発テロからちょうど20年目の節目に当たります。アメリカで暮らし始めてから3か月目、ワシントンDCにあるジョージタウン大学の外交大学院にフェローとして在籍していた私は、当時ペンタゴンのすぐ横のペンタゴンシティというエリアのアパートに住んでいました。Rosslyn駅からバスに乗ってジョージタウン大学に向かう橋の上で、煙が上がっているのに友人が気づき、その日の朝ニューヨークで飛行機がワールドトレードセンター(WTC)に衝突したらしいとの話をしていました。当時はまだスマートフォンもない時代。情報も曖昧で混乱していたのを記憶しています。
その日の午後、ワシントンから退去命令が出て、現場のすぐそばに住んでいた自分はそこに帰るわけにいかず、人っ子一人いなくなった静寂の残暑のジョージタウンで、上空のパトロール開始していた米軍の戦闘機の轟音を聞きながら空を見上げていたことを今でも鮮明に覚えています。翌年以降、為替の仕事でニューヨークのダウンタウンのオフィスで働くことになった自分にとって、そのオフィスもいわゆるグランドゼロから2ブロック、しかもWTCが消失した後エリアで最も高いオフィスとなっていた場所であったことから、9.11テロは非常なショックと共に多くのことを考えさせられ、その後の人生の転機ともなった事件でした。
特に金融関係者には犠牲者が多かったこともあり、また24人の日本人の方も犠牲となられたこともあって、私自身仕事の中でも仲間が犠牲になったなど様々な話を耳にし続けた米国駐在でもありました。そして、突然何の罪もない人の人生を奪い多くの人の悲しみをもたらすテロを憎み、それを絶対に許してはならないということを心の底から確信した経験でもあります。20年目の節目を迎え、改めて犠牲となられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、大事な方を然失った方々にお悔やみを申し上げたいと思います。
20年経った世界は、先日のタリバンによるアフガン制圧、続くテロ、中国の大軍拡と世界中での傍若無人な行動と、あの当時と比べても、伝統的な脅威も非伝統的な脅威も、安全保障上の脅威は増すことこそあれ、安全になったとは到底言えない環境にあります。当時大蔵省の職員だった自分は政治家となり、外交や安全保障に直接的にかかわる立場になることとなりました。皆さん一人一人の暮らしを守り、経済が成長し豊かになるためには、その大前提として、国の安全が保障されていなければなりません。改めてこの機会に、日本の安全と世界的な国際環境の安定のために全力を尽くしてまいりますことをお誓いしたいと思います。
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