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2007-07-30 00:00
連載投稿(1)第6回「日・ASEAN対話」に出席して
山下英次
大阪市立大学大学院教授
グローバル・フォーラム主催の7月17日の首題国際会議に、聴衆の一人として参加した。その日の議論で印象に残った点、改めて考えさせられた点などをご紹介したい。
ASEAN諸国からの出席者のわが国に対する印象は、概ね良好であったと思うが、それでも非常に高く評価する面と、不満に感じられる面の両面がミックスされているように感じられた。その両面を私なりに整理すると、前者は主として先進国である日本がまだ発展の遅れているASEAN諸国に対してほぼ一方的に協力するという面であり、後者は主としてアジア地域統合を日本がASEAN諸国と一緒になってやっていくという面ではないかと思われる。
すなわち、日本が一方的にASEANに協力するという面では、長年にわたるODA(政府開発援助)の供与、民間企業によるFDI(外国直接投資)を通じた技術移転がASEAN諸国の経済発展に大きな役割を果たしたことで非常に感謝されている。また1997年のアジア通貨危機後は、「新宮沢構想」(1998年)や「アジア経済再生ミッション(通称『奥田ミッション』)」の派遣(1999年)などを通じて、アジア経済の回復に貢献したことなどが非常に高く評価された。
他方、アジア地域統合に関するわが国の姿勢はまだしっかりしてないことから、その面に関しては、日本の行動に対して何かと不満が残るということである。一つには、官民ともに、アジアに入っていこうという姿勢がまだ不十分であるということもあろうが、一番大きな要素は、やはりアメリカ要因である。
例えば、中国とインドは、ASEANとの間で東南アジア友好協力条約(TAC)に2003年10月に調印したが、日本は、明らかにそれに促される形で、2004年7月にTACに調印した。日本が、中印の後塵を拝する形となったのは、ひとえにTACが日米安保条約と抵触しないかどうか、日本政府が懸念したためである。日米同盟は、もはや日本外交のあらゆる分野において、わが国の足枷になっているのである。(つづく〉
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