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2021-09-23 00:00
(連載2)米中の間にある日本の「べき論」
岡本 裕明
海外事業経営者
仮に中国が台湾を、そして太平洋に出る道を確保するという実力行使に出た場合、アメリカはどこまで関与してくれるでしょうか?私はアメリカ国内の世論形成ができない気がするのです。「なぜ、アメリカはそこまでして台湾を守る?」。誰も考えたことがない意見ですが、アメリカからすれば台湾の認知度はあれどカラダを張ってまで守るか、これは疑問です。
確かに半導体やアップルの製品をだれが作るのか、という疑問はあります。が、対策の準備は進めているようです。半導体も仮に噂されるウェスタンデジタルが東芝から分離したキオクシアと合併するとすればそれはアメリカの国策の可能性すら考えられます。トランプ氏のアメリカ企業版レパトリ(本国回帰)も相互不干渉の立場であるモンロー主義を想起しますが、現代版モンロー思想では「関与の実感がわかるメリット」を求めているのかもしれません。
かつての大戦や欧州の戦争は主義主張に他国も加担するという形だったと思います。今はあんなウェットな時代ではないのです。はるかにドライで乾ききっています。これが時代の絶対的背景の相違ではないでしょうか?
日本は自助努力を、と日経にもありますが、すわ武力、自衛隊強化というわけでもないと思います。外交戦略と共に日本が自信を持ち、対等に議論できるようにする、これが最も重要なことだと思うのです。中国にどう太刀打ちするのか、飴と鞭を使い分けることも必要でしょう。真正面からぶつかっても意味はありません。彼らを刺激するだけです。そもそも中国の根本には戦争時代、日本に嫌な思いをさせられたという恨みつらみでいっぱいなのです。その対処は、私は「正論で論破できる国家であれ」という思いです。いみじくも日本は自民党内がまとまらない状態。私はとにかく胸を張って正々堂々と相手国と議論できる宰相を期待します。(おわり)
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