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2021-09-19 00:00
米の知識人の一つの見方
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
知り合いの東南アジアの学者が教えてくれた9月4日のニューヨークタイムズ紙のコラムの内容は、米の知識人の一つの見方として世界情勢をウオッチしていく上で一つのポイントとなるものがあるのでご参考までに紹介したい。
このコラムは、ロス・ドゥザットというコラムニストの執筆で、「米のアフガニスタン撤退後の今の状況を古代ローマ帝国の終わりのころの辺境メソポタミアの砂漠やドイツの森での敗北に譬え、ひどい状況だが回復可能でもあると述べ、しかし、米の弱体化が(世界で)認識されると、1945年から存在してきた米の体制に真の脅威をもたらす動きが加速されるかも知れない」と述べ、そのあとに今の米にとり真の脅威として3つを取り上げている。一つが中国の台湾進攻、もう一つがドイツとロシアが手を組む、「えー」と少しは思うが、ドイツの最近の日本と中国を手玉に取り、経済命でやっている姿を思うと納得する部分もある。しかし、もう一つが驚くなかれ、日本が再軍備化することしているのだ。
よく米は、今の日本との安全保障面での相互運用で米は日本を万一の場合は助けなければならないのに、米がやられているときにはすぐには助けに来てくれない仕組みだ、などと文句を言うが、一皮むけば米は日本の真の軍備増強など望んでいないのだ。あくまで、米の軍備の補完的存在なら許されるということなのだ。この記事の中段では、ソ連や中国への米の民主化への支援の努力は無駄だった。ドイツや日本のようにはいかなかったなどと書いているが、米知識人の一つの典型で、 日本がすでに大正デモクラシーなどの近代民主化の道をへている歴史などに無頓着で、戦後の米の教えがよかったかのような見方なのだ。
米はAUKUS創設で、意識したかしないかわからないが仏と距離を置いた。仏は今後、米への技術や軍事への依存を低める方向へ動くことは間違いない。米は一方で、EUや日本などとの反中技術の包囲網の構築を狙っているのにだ。
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