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2021-09-18 00:00
アフガン後の世界情勢
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
報道によると、15日バイデン米大統領は、米英豪三カ国の安保協力「AUKUS」の創設を発表した。アフガンでの長期にわたる軍事対応からやっと抜け出し、インド太平洋での中国抑止に本格的に乗り出した形だ。この中核となるのが、豪への原子力潜水艦の技術供与だ。かっての米のインド太平洋における圧倒的な制空権制海権は過去の話となり、中国に追い付かれようとしつつある。中国艦船は、近年豪の近辺の南太平洋にも我が物顔に出てきているのだ。米は、豪が原潜を保有することで、対中監視の一部肩代わりを狙った動きでもある。しかし、豪の潜水艦導入は、もともとは仏と開発契約を結んでいたもので、このニュースに驚いたのは仏で、ルドリア外相は「後ろから刺されたようなもの」「同盟国の間ではありえないことだ」「一方的で唐突」などと発言不快感を隠さない。
しかし、この案件はもともとは、日本が進めるはずだったのだ。安倍首相は、その外交努力はすさまじいものがあり、トランプ米大統領との良好な関係で有名だが、豪のアボット首相ともきわめてよく、世界への武器輸出についてもこれから積極的に動き出す手始めとして、この案件、総事業費約4兆300億円の調達にほとんど成功していたのだ。日本の競争相手は、仏と独であった。武器輸出の経験のある両国に挟まれて日本は苦戦したが、当時の豪の関係者は、日本の潜水艦の「そうりゅう」型の静粛性、敵からの探索困難性、ディーゼルと高性能のリチウムイオン電池による強力な推進力などで日本へ軍配をあげていた。アボット首相は、安倍首相と同じく、その当時から南シナ海へ進出してきている中国への警戒心も同じくしていた。
しかし、白豪主義の残滓がいまだ強い豪は、野党はじめ世論の反対も強かった。仏はこれに乗じ、官民総力をあげて巻き戻しに邁進した。そして、基礎からすべて豪国内で建造を約束、建設費の大半が豪に残るようにするなどの条件で働きかけた。そして、民主主義国家の常として、政争でアボットが負けて去ると国際入札へと切り替わり、慣れない日本は見事に負けてしまったのだ。そのころ、豪の学者に事情聴取したが、彼は一番の理由は、その当時中国は鉄鉱石や石炭などの一次産品の最大のお得意さんであるので、日本と近い関係は中国から敵視されかねないとのそれが大きいとも述べていたのが印象的だ。
世界情勢は千変万化するとつくづく思うとともに、もしこれが今、ドーバー海峡を渡ってくる避難民を取り締まらない仏とけんかの最中の英が仕掛けたとしたら、これまた興味深い話だ。自民党の総裁が決まり、新内閣がやがて発足するが、新しい首相は、緊迫するアジア情勢の中で、日本の国民の生命とともに財産を保護しつつ、経済的にも防衛的にも世界で生き残れるよう頑張っていただきたい
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