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2021-08-11 00:00
日本の世界への貢献を考える
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
国際的な対立は、イスラム教とキリスト教の宗教対立とか、民主主義と専制主義の体制の対決とか、複雑極まるものだ。まず宗教についてみてみよう。京都に旅行した時にタクシーの運転手さんが、時に修学旅行を引率する先生から、無料で多人数が弁当を食べたり、休憩できる場所を聞かれる。そうした時は、自分は、神社を紹介している。ほとんどの神社は、その境内を無料で公開していると述べた。都心でも、神社がところどころ残っていて、雑踏の中で、ほっとする空間だ。日本人は、普段海外の渡航先で宗教を問われると仏教と記すことが多い。神道は、専門家以外にはわかりにくそうだからだろう。日本人は、クリスマスなどキリスト教からくる風習も流行っているし、その方面を探求する書籍なども多い。日本人は、どちらかと言えば強い宗教的帰属観念を持たない。よく評論家などが、世界の宗教紛争の場面で、日本の出番があるなど宣うが、そう単純な話ではない。きちんとした宗教意識のない人間は、人間として異物視する向きも多いのだ。
キリスト教とイスラム教は同じ源から出た。ユダヤ教とキリスト教は、聖書を共有するなどしているが、俗世界ではいろいろいがみ合いをやっている。一番わかりやすいのは、同じキリスト教の旧教(カトリック)と新教(プロテスタント)との壮絶な対立だ。ほんの最近まで殺し合いをやっていたのだ。ある賢者は、近親憎悪ほど厄介なものはないと述べる。ある知人は、東アジアの日、中、韓の関係にも似たものがあるとも述べる。日本は、いち早く旧体制を脱し民主と自由と市場経済の社会を定着できた。もちろん、国民の努力奮闘もあったが、時の運も多分にあったといえよう。外部から、嫉妬心から悪口を言いたくなるのもわからないでもないが、それらにいちいち付き合うのはやめて、世界に大きく貢献してゆくべきなのだ。日本は、民主主義などが社会に定着するのには、膨大な時間や努力が必要だということをよく知ってもいる。欧米の先進諸国は、時として後発国の民主や市場経済化への移行にせっかちに対応しがちだ。すぐに、制裁をちらつかせたりする。
日本はかつて、福田ドクトリンが東南アジアで一定の成果を得たように、後発国がその国に適した経済発展を果たすのにいろいろ支援できるノウハウや資金を持つ。日本から連れてくるのではなく、現地の労働者の雇用など、被援助国を真に助ける貢献が可能なのだ。日本人は、欧米のように「人道など」麗々しい旗印を掲げることは不得意だが、多くの国々は、日本が無私で公正な支援をする国であることを知っていて、その日本に期待も持っているのだ。いずれにしろ、日本は国際化しなければ生きてゆけないのだと覚悟すべしだ。ある海外の知人が、日本について危惧するのは、日本のメディアの空間の狭さだ。欧米人で動植物に興味を持つ人間は良く日本へ来て、その種の多様さに驚嘆する。そして自然の残っていることにも驚く。日本の森林の国土に占める率は世界でもずば抜けており、森林大国と言われるロシアやカナダをしのぐし、西欧一の森林国と自負するドイツをしのいでいる(独は、30数%、日本は60数%)と述べる。それに引きかえ日本のメディアはいつも同じ人物が登場しているし、テレビも皆似たり寄ったりの内容だ。日本人の知人は、英語圏で世界でのベストセラーを一発出せば、まず数年から一生の期間、経済的な余裕ができるが、日本はそうはいかないと述べる。
彼は、日本の近代史を専門にしているが、英米を鬼畜などとののしり、国民を煽り、戦争にまで引っ張っていった当時のマスコミは軍部より悪いと述べる。総理官邸で、問答無用と犬養総理を殺害した5.15事件の関係者を援護し、その刑を軽く収めさせ、その後の日本の各分野で勉強不足のわからずやたちをのさばらせたと言う。国際関係は益々複雑極まりなくなってきている。政治家はじめ、日本の多くの外交担当、関係者たちは、この複雑で、時として落とし穴のある知恵とエネルギーを費やす各領域を慎重に進むより他はないのだ。
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