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2021-08-07 00:00
(連載2)デカップリングに歩を進める中国
岡本 裕明
海外事業経営者
では一般の中国人はこれらの動きにどう思っているのでしょうか。基本的には分かっているけれど口にしない、それだけです。当局が怖い、だから逆らわないのです。では、いつまでその従順さを見せるのかといえば、共産党が揺るぎ無い間はしばらくということでしょう。指導体制に綻びが見えたとき、国民は蜂起するかもしれません。何処から綻ぶかはわかりません。習氏のお手付きか、ウイグル族やモンゴル族など民族蜂起か、はたまた台湾へ仕掛けた力業に対して国際世論からの強力なバッシングと厳しい経済制裁がある時でしょうか。文化大革命の末期のようなみすぼらしい結果となれば習体制は一気に崩壊するでしょう。
近年の中国を外から見ると砂上の楼閣に見えるのです。かつては海外の専門家や企業を三顧の礼で招き入れ、自国の経済発展のために必死に勉強し、努力した可愛げもあったのですが、自分でできると思い込み、海外の企業も人間もポイ捨てです。ただ、国内経済の実情は厳しく、内需振興も計画を下回るように見えます。習近平体制は盤石か、と言えば脆弱とみています。それは習近平氏への権力集中でしかなく、周辺の忠誠がなく、ドライで割り切っていると考えています。次のチャンスや変化するタイミングをあらゆる層の人が黙って待っているとも言えましょう。デカップリングを進める今の政策では奈落の底に向かう一丁目一番地です。
一方、多くの日本企業が中国に進出しています。中国にとっては「しめしめ」です。理由は有事の際、日本企業が担保になり、資産になるからです。中国は日本企業をウェルカムし続け、日本の財界は中国を重要なパートナーだと主張し続けるでしょう。そうしている間に、尖閣諸島が実力で奪われたり、軽い衝突が起きたりするでしょうが、そうなった瞬間に中国にある日本企業の資産は押さえられ、対日カードに成り果ててしまいます。その時、中国の日本企業は金魚鉢でえさを与えられている金魚のようなものだということに気がつくはずです。
2013年に習近平氏が就任するまではよかったかもしれません。今の中国は猛獣です。有力な中国企業も骨抜きにされる状況を正視することは重要です。国際感覚というのはそういうものです。中国とビジネスをしている人には「まさか」とか「まだ大丈夫」という気持ちがあると思いますが、国際情勢のパリティは一日にして崩れることがあるのは肝に銘じるべきだと最近とみに感じています。(おわり)
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