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2021-07-28 00:00
(連載2)日本はサイバー脆弱性の危機意識が極めて低い
岡本 裕明
海外事業経営者
上記は諜報の世界ではヒューミントと称する人的諜報を意味するのですが、それとサイバーテロは別次元です。私はこれを一種の宣戦布告なき戦争の一種だと考えています。先般のアメリカ東海岸のパイプライン会社へのサイバーテロは金銭目的でありましたが、サイバー攻撃自体は、いわゆる破壊行為を目的に、インフラだけではなく、原発や防衛施設、空港などあらゆるところに仕掛けることが可能であり、それはいつ、どこからやってくるかわからないのです。多くの方は戦争と言えばロケットが飛び、軍艦から戦闘機が飛び立ち、地上戦を繰り広げるというイメージがありますが、それは昔のスタイルです。今後の戦争は地球の裏側から一瞬のうちに敵国の心臓部を破壊することすら可能かもしれません。それがサイバーテロです。そして日本はその防衛能力が第3グループだというのです。
では日本はその汚名を返上できるのでしょうか。ここは二つの観点でアプローチが必要です。まず、国家レベルで国を守るという意識を高める必要があります。スパイ防止法がかつて阻止された際、憲法の表現や報道の自由を盾にされました。それは意味が違うだろうと思うのですが、野党やマスコミはこういうツッコミをするのにすさまじいエネルギーを注ぎ込み、本来あるべき国家の立ち位置を完全にミスリードしてしまうのです。これは右派とか左派の問題ではなく、独立国家として両足でしっかり立ち、歩くことができるようになる最低限の筋力の話であります。
ではもう一つの観点、技術的にそれを阻止できるのか、であります。これは実はできそうに思えます。コンピューターネットワークを意味するサイバーの技術向上が理由です。その最右翼は量子コンピューターなのです。報道でも最近、量子コンピューターの話題がちらほら出てきております。世界中が今、もっとも力を入れて開発しているコンピューター技術でこれが実用化されると世界の模様は全く変わるとされます。その技術の説明は主題と外れるのでしませんが、サイバーテロを阻止するには量子コンピューターによるセキュリティ効果が極めて高いと予想されています。つまり、国家の情報網が完全に覆い隠され、外からのハッキングができないようにする、これが量子コンピューターの実用化で実現できそうです。ちなみにスマホへの量子型セキュリティシステムの搭載の研究開発が進み、こちらの方が先に出そうです。このシステムはハードに搭載するものとソフトウェアに搭載する2方法があるのですが、現在、ハードへの搭載をするQRNG方式に軍配が上がりそうです。これでハッキングは極めて難しくなるとされています。
量子コンピューターは日本でも開発が進んでおり、現在のサイバーテロの標準は全く違う水準になるのはさほど遠い時期ではないでしょう。しかし、技術による防衛のみならず、日本が意識をもって情報漏洩への罪の意識を持つことがもっと重要であることは言うまでもありません。(おわり)
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