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2021-07-26 00:00
中国の台頭をどう見るか
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
五輪が蓋を開けたら、直前までいろいろうるさかった声もひとまず静まり、日本のメダルラッシュに沸き立つこの頃だ。日本のメダルもすごいと思ったらその上を行く国があり、それが中国だ。この中国の今の勢いをどうとらえたらよいのか、世界の多くの人たちは惑ってもいる。西側諸国、特に西欧の国々がこの中国のとらえ方の参考にしようと、研究者たちが日本を訪れだしたのは2、3年前ぐらいからだ。そうした人たちを案内して、日本の中国問題の碩学たちを訪問した。皮膚感覚で、これはうまい説明だと感服したのは、次の言い方だ。「アフリカ諸国と西欧諸国が合わさった大きな国です」。
西側の人たちは東方諸国を馬鹿に仕切っているのか、多くの人達が、一部懸命に勉強した例外を除くと、あまりにも知識に乏しいのにはビックリだった。彼らからすると、ある部分では後進国並みで、ある部分は先進国と覇を競う勢いという部分が分かりにくいのだ。西側のうち、独、仏、英など西欧諸国は、中国から儲けを得れるなら、人権その他をひとまず横に置き、中国と付き合い続けるのだ。まず初めに言語ありともいうが、西欧諸国の皮膚感覚からすると、漢字文化は、古代の絵文字文化の後継みたいに思え、遅れた文化を奉納しているとも見えるのだ。中国もほんの少し前、鄧小平のころにも、中国語は、やがてローマ字化して、早く西欧に追いつくのだと真剣に述べていたのだ。それが、米のインターネット普及で、漢字の書く手間が、大いに省略され、普及に便利この上ないことが分かったのだ。そして、読むのには、無味乾燥なローマ字の羅列より、目や脳にビビッドに入り込んでくるのだ。変化の激しい中国、また自信を無くすと、漢字をやめてローマ字にすると言いださないとも限らないが、現状は漢字温存だ。
最近知人から、漢方医学と西欧医学どちらがいいと思うかとの素朴な質問を受けた。筆者の知る中国人の某学者が、癌にかかり、日ごろは中国ひいきで、西欧志向には反対の人間だったが、西側の医薬品を求めて、知人の欧米の研究者たちに支援を依頼したりしていた。そういえば、筆者の高校時代の同級生は医者となり、週刊誌などで医者のランキングの仲間になるやや著名な医者がいるが、中国からお誘いが来ていると述べている。他の友人に、最近明け方になると、足がつり目が覚めるとぼやくのがいるが、主治医に相談したら、西欧医学では、このつるという現象はなかなか説明が難しい、現象を和らげるには今のところ漢方薬がいいと言われたそうだ。今の中国と西側との関係みたいなもので、メインは西側だが、ある部分では、中国に軍配というところか。
世の中、急変するのが常なので、中国にも安全パイをかけておくという人たちがいても不思議ではない。米中対決を文明の対決ととらえ議論するのは専門家に任せ、皮膚感覚で、右顧左眄するのも人間なのだとも思う。五輪にまた戻ると、70年代、メルボルンでの五輪後に同地にしばらく滞在したが、五輪では、北部ダーウインにまで攻めてきた日本憎し、白豪主義謳歌の同地であったが、五輪で豪の人気ナンバー1の水泳の王者ローズ選手と激烈なデッドヒートを演じた日本の山中選手の評判は高く、日本の評価もそれに応じて高まっていたのを思い出す。スポーツの一つの良い効果である。東京五輪でどのようなドラマが待ち受けているのか楽しみでもある。
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