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2021-07-18 00:00
右や左の旦那様
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
専門誌「公研」7月号の阿川尚之氏(慶応大名誉教授)へのインタビュー記事は興味深いものだった。同氏は、作家阿川弘之氏のご子息、阿川佐和子氏の兄にあたる。同氏は、病気で4年間療養し、その後母校の麻布学園中学へ復帰したが、当時は反安保騒動の真っ最中で、高校生ばかりかあどけない中学生までもが、集会で校長をつるし上げたりしていた。当時の学生運動にかぶれたものの中には、のちに東大へ進学し、中央官庁や大企業に入ったものも多い。
彼らは、あの時僕らは日本を変えたとか、失敗したけれど頑張ったなど懐かしそうに言います。しかし、阿川氏は述べる「ふざけんな、あれはただの遊びだったじゃあないかという思いがあります」。江藤淳さんが、その後雑誌に「ごっこ」の世界が終わったとき、を書いていたが、読んでまったくそのとおりだと思った。右や左の旦那様たちは、スカッとさわやか「コカコーラ」で、自分がスカッとすれば気が済むのだ。岸信介総理の、米との対等を目指した安保改定に、マスコミ、識者たちがこぞって反対したのだ。そして若者たちを煽ったのだ。
今、米の尻馬に乗り、中国をやみくもに叩いて、マスコミでいい顔をしている評論家がいるが、同人はよく中国人民解放軍シンポジュームに招かれ参加する。その通訳を務めた日本人の知人は、あの人は、反中国で名を売っているが、実際は解放軍の人寄せパンダの役をしているのだ。解放軍は世界に自分たちは、ちゃんと異なる意見も聞いていますと宣伝できるのだ、と述べる。
筆者の幼児期には、周囲に満州から命からがら逃れ帰った人たちがいた。彼らはよく述べていた、満州は日本の生命線だなど大言壮語する勇ましい人達は、いち早く逃げ出していた。知り合いの米の中国問題についての研究をしている某氏は、「今、習近平は負けられない権力闘争に必死だ。その一つが、『反腐敗闘争』なのだ。よく人々は、無責任に中国が国内で対立し、乱れ、崩壊すればよいなどというが、本当に党権力が退場し、かっての、文化大革命直後の激しい二極化が起こり、軍が対抗し、政情不安、ついには社会崩壊に至ったとき、中国人民が難民として海外へ流失するだろうが、それは、いままでの難民の桁が違う大きなものとなる」と述べる。
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