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2021-07-15 00:00
日本人よもっと想像力を持とう
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
世界を見渡して、一番良い国とまでいかなくとも、そこそこの生活の快適さ、社会を持つ国であることは多くの人たちが認めるだろう。教育程度の高い均一な国柄は、しかし時として、悪い面が出てくるときもある。ある場面で、社会の空気が一つに固まりがちだ。米国や中国は、様々な人たちが生活し、文化や人種、風俗習慣、ある場合は特に中国だが、言語がまだ全国で統一されていないなどということもある。しかし、それゆえ自分とは違う人への対応も、相手を認めるという優れた面も持つ。もちろん、どこの国にも原理主義者はいて、そうした存在を許さない人もいる。日本人は他者へは穏やかに接するが、時として、その風俗習慣に無頓着で、みな自分たちと同じであるべきと思う。少々下手な言葉でも、米や中国社会では許されるが、日本は時として、きわめて厳しくその発音、文法の違いを笑ったり馬鹿にする。
国際関係を眺めると、日本の報道ぶりで、例えば、NHKは、公共放送でありながら、専制国家の中国のほうに立ち、民主国家を邪険にする。けしからんと騒ぐ人たちも多い。しかし、考えてみると世界は同一ではない。民主国家の米大統領や日本の首相を非難してもきちんとした理由があれば許容範囲であるが、独裁国の指導者には、とてもじゃないが批判はできないのだ。米雑誌に、バイデン大統領が選挙応援で地方に行き、日曜なので教会でミサにあずかろとしたところ、そこの教会の神父はきわめて厳格で、カトリックが禁止している堕胎、妊娠中絶などに賛成する民主党の党首がミサにあずかることまかりならんと拒絶したと報道している。独裁国でこうした行為は、即牢獄行きだろう。我が国と中国との間では、記者取り決めなどが厳然としてあり、日本は、中国の悪口は言いませんと約束しているのだ。
カナダは、2014年、移民法を改訂した。5年間のカナダ政府への80万ドルの無利子ローンの提供などで、永住権が取得できたのができなくなり、特に中国からの移民に厳しいものとなった。接触した北米の人たちはよく、今の習近平政権は「中国の夢」を掲げ、今や米国と並ぶ世界のG2、超大国となったとか、「中華民族の偉大な復興」などというが、その国の金持ち連中が大挙して海外へ逃げ、永住権を持とうとする。訳が分からないなどという。この観点から、習近平政権の国内での綱紀粛正の徹底、家族の海外移住状況の報告義務など引き締めに走る傾向には賛意を表する人もいる。いま中国国内では、コロナ禍以後の世界を展望して、知識人たちの一部は、だいぶ心安らかでない層もいる。米の報道で、中国国家安全部の副部長という高官が米へ逃亡したとうわさされている。これは習近平に打撃となる種だ。民主国家も、政治は浮き沈みが激しいものがるが、メディアが頑張って、その前兆を知らせてもくれることも多い。しかし、専制国家では突如来るのだ。あの、世界に情報を持つキッシンジャーでさえ、ソ連の崩壊は予想できなかったと自戒しているほどだ。
こうした中国と付き合ううえで参考になるのは、フランスのそれだ。同国は、中国にも台湾にも兵器を売りさばいている。台湾に売って、中国が激怒し、外交関係にひびが入っても。平然と構えている。90年代に仏の戦闘機を台湾に売りさばいたときは、中国南部の広州総領事館を閉鎖した。おとしどころを心得て動いているのだ。2000年代初めの中国南部でのSARS騒動の一番西側では早く状況を把握し、西側諸国へ恩を売った。今回の武漢における、感染症研究においても、フランスは米に劣らない情報を持つし、内部に食い込んでもいるという。
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