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2021-07-13 00:00
(連載1)「都議選、予想外」はなぜ
岡本 裕明
海外事業経営者
秋の衆議院選の前哨戦とも言われた都議会議員選挙。下馬評では都民ファが大きく議席を落とし、自公で過半数を取れるのではないか、と予想されていました。私も選挙戦序盤に日経の世論調査をベースに都民ファは最大20議席程度と予想していました。大外れです。結果を見れば自民は都民ファをわずか2議席上回る33,自民と公民を足しても56議席で過半数の64議席には足りません。では自公に連携できる第三党で差の8議席を埋められるか、というとありません。共産が19議席、立民が15議席と続きますが、自公はまさか彼らとは連立はできません。ところがそれ以外の政党で当選者を見ると維新1、東京生活者ネットワーク1、その他4で物理的に自公がリードする形になりません。一方、都民ファとしても共産、立民と連立を組めば数字上は過半数になりますが、まさかそれはないでしょう。とすれば決められない都政がここに誕生することになります。唯一の可能性は自公が都民ファと協力し合う関係になるか、ですが、二階氏という接着剤が仮に噂される今年の秋の自民党内人事刷新で変わるとすれば全く読めなくなります。なぜ、こんな結果になったのでしょうか。
あくまでも私見ですが、社会の二分化が深く進んだことが関わっていると感じています。大阪の維新が地域政党として成功を収めたのはなぜか、といえば橋下氏が大阪の特殊な問題に深くメスを入れ、府民を地域問題に目覚めさせ、コミュニティ・イシューとして政治の主題化に成功した点は否めないでしょう。
その点、東京は天下のおひざ元、大言壮語で世界を語ることで差別化を図ってきたのはご承知のとおりです。ところが、小池都知事に代わってから国際都市という目標もあったのですが、それ以上に地域密着型に変わり、世界の東京という観点は二の次、三の次になったのかもしれません。
国際都市東京、アジア経済の中心になるといった大きな話題ではなく、高齢者の医療問題を中心に安全安心が主題になります。豊洲問題を含め、小池都知事は目線をローカル化させたことで都民ファの勢力が思った以上に衰えなかった、としか私には考え付きません。特に今回は都民ファが五輪無観客を主張しました。他党はその点は不明瞭でした。つまり、何処に焦点を合わせるか、という点において大阪の維新と戦略的には似たものを取ってきたと言えないでしょうか。(つづく)
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