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2021-07-02 00:00
ドイツの日本観について
真田 幸光
大学教員
あくまでも、私自身の経験に基づく個人的な見解ですが、日独伊三国軍事同盟の中で、最後まで戦い続けた日本を見ながら、「ドイツは今も日本を信頼、尊敬している。」と言う声があるのを知りながらも、また、私も、「ドイツ人と日本人には共通点があり、互いに尊重し合えるであろう。」と考えていましたが、わずか一年間ではありましたが、ドイツの銀行に勤め、ドイツ人の上司、同僚を持った中で私が感じた事は、「ドイツ人は必ずしも日本人を尊敬していない。」否、むしろ、「やはり、日本人を下に見ているのではないか?」と言う事でありました。
その典型的な話として、私の経験から申し上げたいのは、私が、ドイツ人の当時の仲間たちに、「日本はアメリカから、良いモノを安く提供するものづくり奴隷のように扱われている。実際にあるアメリカ人からそう言われたこともある。だから、日独でものづくりの国際スタンダードだけでも守っていくべきではないか?」と話したところ、その中の一人のドイツ人がズバリ、「日本は良いモノを安く提供していると言うが本当にそうなのか?実は、決して良いモノを作っていないのではないか?だから安く売っているのではないのか。或いは、もし、本当に良いモノを作って安く売っているのであれば、日本人は愚かである。」と言われました。
考えてみれば、あの、ヒトラーも、ドイツの民が優性民族であると言うことを背景にナチスドイツをリード、その際に、グローバルに見た、地政学的見地から、イタリアを上手に懐柔しつつ、力が直接バッティングしない、極東の日本と組み、パワーゲームに挑んでいたとも見られ、必ずしも、日本、日本人をリスペクトしていたのではないと思われます。そうした中、ドイツ語を自由に操り、ドイツを根底からよく知る東京銀行の大先輩のドイツ評をお聞きすると、「欧州人の中でも特にドイツは、基本的に、“商売、商売の国、経済が大切であると言うお国柄”の筈である。その意味でドイツ人にとって、今の中国本土は大事なお客様となっている。一方で、日本は、今やドイツにとっては商売仇となっている。また、ドイツの安全保障上は、かつての日本と同様、今のところは、中国本土は、心配する所のない国である筈である。
そうした中、メルケル首相は典型的なドイツ人であり、あの礼儀正しい物腰の背後に、“何よりもドイツが一番”との心があると見られる。」と言うコメントに接しました。こうした専門家のコメントをお聞きするにつけても、「日本はドイツを信頼し過ぎてはならない。」と感じてしまいます。もちろん、ドイツとの無用な対立は避けるべきでありますが。
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