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2021-06-26 00:00
中国本土のゲーム市場を通じた新たな戦略について
真田 幸光
大学教員
中国本土政府が、約4兆円規模に達する巨大な自国ゲーム市場を、「文化工程」の武器として使いだしているとの批判が世界のゲームソフト開発メーカーなどから出てきています。例えば、中国本土現地で新たにゲームをサービスする際に必須の、「ゲーム許可証」(版号)
の民間企業に対する発給審査基準に対して、中国本土政府は、「中国本土の優秀な文化を広く伝える」「社会主義の中心的価値観に符合する」といった条件も入れ始めていると批判されているのであります。
つまり、ゲームに熱中する庶民の心を逆手に取り、ゲームを通して、「人の管理」をすると共に、「中国本土文化の普及」に利するゲーム作りを展開し始めているというのがこうした批判や懸念の背景にあります。これに対して、世界のゲーム業界では、「許可証を代価として中国広報ゲームを作ってくれということである。世界最大の中国本土ゲーム市場を簡単に諦めることもできない」として中国本土政府の意向に従うメーカーも出てきそうであります。
今のところ、中国本土政府の意識するゲーム利用者の対象は、「中国本土人民」のようでありますが、今後は、こうしない戦略のもとで作られた、ゲームソフトが世界に販売されていく可能性も否定出来ません。そして、「自由主義経済」をいいとこ取りし、一方で、今回のように、規制を加える、「統制国家的動き」を見せる中国本土には、「現行の国際標準」に従い、世界と協調してもらうようにしてもらわないといけません。
しかし、中国本土はこれに対して、「中国本土は国情に沿った社会主義的な民主政治を実行している。如何なる勢力も他国が選んだ道を否定する資格はない。」とこれを拒んでいます。そして、上述したように、「それでも中国本土ビジネスは魅力」として中国本土の意向に従ってしまう人、企業、国が少なからずいれば、「中国本土に対する制裁」も効果薄でありましょう。心配な事態です。
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