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2007-07-20 00:00
対中国ビジネスにおける知的財産権保護
鈴木馨祐
衆議院議員
参議院選挙も間もなくであるが、政治家という仕事柄、日本全国各地の大企業から中小企業にいたるさまざまな会社の経営者や現場の方とお話しする機会が多い。特に製造業ではある程度の規模の会社であればアジア諸国等とビジネスをしていることが多く、グローバル化した社会とはいえ逞しく発展のチャンスを模索している企業の努力には本当に頭が下がる思いがする。と同時に驚かされるのは、そのほとんどの会社において、必ずといっていいほど同じ話題が出てくることである。それは中国とのビジネスの難しさ。特に知的財産権の関係や税制や手続き等の現場の問題についての苦労や諦めにも似た嘆きを耳にすることが多い。
もっともこれは日本だけの問題ではなく、中国に進出しているほとんどの外国企業が共通して抱えている問題であろうことは外国メディアにおいてもしばしばこの問題が指摘されていることからも明らかであろう。中国の経済成長が続き、しかもそれが世界の人口の約4分の1を占める巨大な国のマーケットであることを考えれば、今後の日本経済の成長戦略を考えていく上で中国市場は避けて通れないテーマである。であるならば、中国におけるビジネス環境や知的財産権の問題に関して日本が受ける被害を最小限に抑えるような戦略を立ててそれの実行をしていくことはまさに日本の政治家や政府に何よりも求められる産業政策なのではないだろうか。
中国のビジネス環境や知的財産権の問題は大きく分ければ二つの点に集約されるのではないか。一つには中国共産党の中央自身が対外的なポーズは別として実態としてはこの問題に真剣に取り組んでいないように見受けられるという点、そしてもう一点は中央政府が地方や企業に対するコントロールを十分にできていないのではないかという点である。それぞれの処方箋は自ずから異なるわけで、日本としてのかかわり方も異なる。
一つ目の点については、何よりもまず中国共産党政府自身がこの点に関し危機感を抱くような状況に追い込んでいかなくてはならない。具体的には、日本が比較優位を持っている技術等に関しては技術協力や経済支援などの名目であっても中途半端な形での持ち出しは絶対に行わない、つまり目先の利益に囚われず相手が真に欲する状況となるまでは安易な形での技術移転は行わないということ、そして知的財産権の基盤の不安定さは中国のイノベーションも阻害し長い目で見れば中国自身の発展のマイナス要因となるということをしっかりと伝えて理解させていくことに尽きる。
また二番目の点については日本政府としてもアメリカの通商代表部(USTR)がそうしているように日本企業が進出している地方の省政府など中央政府以外の機関と交渉しキメ細かくプレッシャーをかけることであろう。もちろん企業自らが政治リスクのある部分については中国の資金を活用する、中国の人材を活用するなどして中国側が公正な態度で対せざるを得なくするような仕組みを構築する工夫を自ら行うことは何よりも重要であり、その知見等の共有化を図ることも日本政府として行わなくてはならないことであろう。しっかりと取り組んでいきたい。
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