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2021-05-18 00:00
(連載1)混沌とする中東情勢の向かうところ
岡本 裕明
海外事業経営者
私の経営する東京のシェアハウスに住む若い女性2人はパレスチナ難民キャンプへの支援活動に行くのを待つ日々です。コロナでその渡航は延びに延びているのですが、今週にその渡航が決定したと連絡がありました。しかし、報道の通り、パレスチナとイスラエルの間で激しい争いが始まっています。私はその2人が本当に渡航できるのか不安で本人たちには今どういう状態にあるのかもう一度、よく確認した方がよいと再三連絡しています。
パレスチナには二つのエリアがあります。一つがヨルダン川西地区と呼ばれるもので私はカナダに長いのでウエストバンクという呼称がよりしっくりきます。もう一つが今回問題になっているガザ地区です。ガザ地区は地中海に面し南北50キロ、東西5キロ程度の細長い土地で総面積は東京23区の6割ぐらいでそこに現在イスラム系の人が約200万人居住しています。経済状態は非常に悪く、また地中海に面していない他の三面はイスラエルが厳しく管理し、海側も監視下に置かれています。ガザへのエントリーポイントも総数では6カ所しかなく、そのうち大半は現在閉鎖中という状態にあります。パレスチナの歴史を述べると大変なボリュームになるので割愛しますが、このガザ地区はイスラエルとの1993年のオスロ合意でパレスチナの自治区となり、2005年にはイスラエル軍とイスラエルの入植者が退去し現在の状態に至ります。ただ、それ以降も頻繁に自治区とイスラエルの間で交戦が行われています。
今回の事件もその一環ではありますが、いつもより緊張感をもって考える必要があります。それは暴発するイスラエルとより強硬化するパレスチナを誰が仲裁するのか、であります。イスラエルがトランプ政権の時に相当緊密な関係となったのはご承知のとおりです。また政権末期にはイスラエルが中東諸国と次々と国交樹立したのも記憶に新しいところです。仮にトランプ政権が継続していれば中東の雄、サウジアラビアですらイスラエルと国交を結ぶ可能性もなかったわけではなく、それぐらい外交的にイスラエルは攻め込んでいました。もちろん、その背景にはネタニヤフ首相の存在があり、氏のカリスマ性すら持ち合わせる剛腕を見せつけたわけです。
ところがトランプ政権が敗北したとたん、アメリカからの熱量は一気に冷めるのです。もちろん、バイデン氏は反イスラエルではないでしょう。事実、ブリンケン国務長官の義父はナチス強制収容所に入れられながらも生き延びた方です。ただ、個人的に支援したいとしてもアメリカの外交姿勢がすっかり変わってしまい、ネタニヤフ首相からすれば「頼れない」という判断をせざるを得なかったとみています。(つづく)
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