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2007-07-18 00:00
連載投稿(6)東アジア共同体構築活動を事後評価せよ
廣野良吉
成蹊大学名誉教授
以上のように、東アジア共同体の構築に関しては、各国間に共通認識が形成されるとともに、地域の内外に批判や問題提起がある。これらの批判や問題提起に応えるために、日本国際フォーラムや東アジア共同体評議会(CEAC)、さらに各国の類似団体は何をなすべきだろうか。
個々の批判や問題提起に一つ一つ応えることは、各団体の個々の会員に任せることが賢明である。なぜならば、わが国の場合でも日本国際フォーラム会員やCEAC議員の間には広範な意見の相違があり、これは個々人の職業的背景、専門分野、時代的背景、経験、イデオロギーの相違からも避けられないことだからである。そこで、わが国としては、来月のシンガポールでのNEAT年次総会で、来年度早々にも従来の各国の東アジア共同体構築に向けた研究調査・交流活動を事後評価することを提案してみてはどうだろうか。一般論からいっても、数年毎の活動の事後評価は、団体の全体的活動の中長期の優先順位や活動方向等を見直し、団体の有効性や持続可能性を担保するためにも不可欠と考えるからである。
CEACを含めた各国の類似団体の有効性、持続可能性を吟味する為には、活動全般(理念、目的、目標・優先する機能的分野の選択、研究会・国際会議のあり方、財政的基盤、具体的成果等)について一定期間の活動が終了した段階で事後評価する場合、中立性、妥当性を担保するためには、評価専門家を含めた第三者評価チームが評価することが望ましい。外務省で実施しているODA案件・プログラム評価では、パリに本部がある経済協力開発機構・開発援助委員会(OECD/DAC)で国際的に合意された5項目の評価基準(Relevance, Efficiency, Effectiveness, Impact, Sustainability)を使用しているのは周知の通りであり、各国の東アジア共同体構築に向けた調査交流活動の事後評価方法としては、この評価基準を参考とすることを提案したい。
事後評価の結果は、CEACはもちろんのこと、各国の類似団体の理事会、運営委員会、総会等にとっては、今後の事業活動計画や予算計画の作成・討議の上で一つの重要な参考資料となるであろう。そして、その結果、各国内外での研究調査の重複を解消し、無駄が省かれ、経験交流が一層緊密化し、焦点や優先度が鮮明化することによって、政策決定者への影響力が一層大となり、関係各国で東アジア共同体の構築の加速化が見られることを期待したい。(おわり)
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