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2007-07-17 00:00
連載投稿(5)東アジア共同体構築のための環境醸成を促進せよ
廣野良吉
成蹊大学名誉教授
共同体構築の環境整備に関しては、現在当該地域で進展中の二国間自由貿易協定、金融協力協定、投資保証協定、科学技術協力協定、文化交流協定、観光協力協定等の積み重ね、普遍化が有効であり、これを各国間で促進するためには、東アジア諸国が、関税・非関税輸入障壁の削減・撤廃はもちろんのこと、国内の各種経済的規制の緩和、環境保全・食品安全・保健のための国際基準の採択等の国内改革と国際化を従来に増して一層加速化することが必要不可欠であるという指摘がある。
また、特に日本と中国、日本と韓国間の経済的関係の強化のみならず、政治的・社会的・安全保障的関係の改善が急務であり、これら北東アジア諸国間の信頼関係の醸成なくして、東アジア共同体の構築はありえないという問題も指摘されている。安倍内閣、胡錦涛政権になって安部総理、温家宝の相互訪問を通じて日中関係の改善はみられるが、日韓関係の改善は未だしの感がある。もちろん、日中韓には歴史認識の違いから来る二国間の不安定要因が相変わらず存在することも懸念材料の一つである。
歴史認識の相違に加えて、その重要性が指摘されているのが、なによりも東アジア諸国の人々が偏狭な民族主義、愛国心と別離して、自国の考え方を相手に押し付けずに、各国の歴史、伝統、文化、価値観、宗教等を理解・尊敬し、多様性を尊重して、アジア地域の平和と繁栄への決意を新たにすることである。各国政府は、アジア地域におけるこのような環境醸成のために有効な短期的・中長期的諸施策を講ずることが肝要である。
最後に、今日のグローバル化した世界では、「一国平和主義」、「国際化の否定」は許されず、国際社会の主要な潮流に逆行しては、アジアの平和も繁栄も確保できないという認識に基づき、国際社会の懸念材料であるミャンマーの人権侵害、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核兵器開発等にみられる当該地域の国々における反国際的な国内外活動に対して、東アジア諸国は、いっそう国際社会との共同監視を強化し、当該国の反省を促し、国連等を通じた国際社会の経済的制裁決議には、必要に応じて前向きに対応することが必要不可欠であるといった議論も無視できない。(つづく)
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