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2021-04-17 00:00
日米首脳会談について考える
中山 太郎
団体非常勤職員
日本のメディアは、米のバイデン大統領は菅総理を「ヨシ」と呼ぶこととなり、日米の親密度が高まるなどと報道している。外交では、自分の国が第一で、他の国は便宜的にその都度利用するものだとの大原則を忘れてはならない。そもそも、今や中国に対して、米の潜在的な第1の競争相手として強烈にその対抗措置がとられつつあるが、中国の存在がここまで米に認知され出したのは2010年ごろ、日本を抜いて米に次ぐ世界の第2の経済大国として躍り出たころからだった。その前は、どちらかと言えば、米の第一の潜在的な競争相手、対抗するべき国は日本であった。
90年代、民主党のクリントン大統領は、何よりも米国経済の活力増強第一をあげて登場した。日米での通商交渉、そのほかの経済を中心とした日米包括協議がしぶとく繰り返されている。その間98年には、その大事な日本を迂回して、9日間に及ぶ訪中をしたりして、日本パッシングを印象付けたりした。ある、日本の知人は米の民主党政権は、人権などの自分たちが普遍的な価値観と考えるものをキリスト教の宣教師的に説き、他国へその遵守を一方的に求める。それに引き換え共和党の方が、日本の伝統文化への理解もどちらかというとある。北朝鮮による日本国民の拉致問題や日本の捕鯨などにも民主党より話が出来る。2013年12月に、安倍政権が国内の右側分野の不満解消を狙い、靖国神社公式参拝を実行した時、時のオバマ民主党政権は「失望」という極めて強い表現での国際社会における日本叩きを行い、反日の中国や一部韓国の人たちを勇気づけてしまった。
しかし、どの国も国内問題が第一で外交は二の次であることを忘れてはならない。日本の外交を現場で携わる人たちの内話で思い出されるのは、日本も90年代熾烈な米との競争関係にあった際は、米の悪口を第三国の人たち相手に盛んにしていたということだ。後に副総理にもなったある中国の高官とパーティで日本の外交官が話をしていた際、日本の外務大臣経験者が、近づいてきて、米の悪口、自分勝手ぶりを罵った際、その中国高官は、自分は米国に多くの友人がいる、米のその他の面もよく知っている、と冷静に述べていたそうだ。
メディアが煽り立てる表面でのとげとげしい米中の衝突の水面下では、もう少し親密な米中対話が行われているはずだ。今、表向きには米新政権は、政治的・イデオロギー的に異なることが大きくクローズアップされつつある中国に対し不信感をあらわにし、その軍事力拡張、海洋進出、人権抑圧などを警戒し、避難している状況であるが、一部識者が述べるように、国際関係は複雑極まりないのだ。米の中国との一定の経済・金融面での相互依存関係は続いてもいるし、気候変動問題をはじめとする地球の環境問題、果てには、北朝鮮政策などの外交問題でも中国との対話が求められてもいるのだ。日米ともに、これからも中国に対する政策を、十全に関心を費やし、研究検討していく、辛抱強く、強靭な対応が望まれるのだ。
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