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2021-04-13 00:00
松山英樹選手のマスターズでの勝利に思う
中山 太郎
団体非常勤職員
松山英樹選手のマスターズでの勝利は、日本人がゴルフのメジャーに参戦してから89年、その中での最高峰のマスターズ初挑戦から85年目のアジア人としても初めて快挙だ。知人の中国人学者によれば、日頃日本批判が厳しい現地のメディアでも、喜んでいるそうだ。勿論、賞金が2億数千万円だとか金儲けの話にも興味が寄せられている。その中国人は、米との関係が悪くなり、米国を話題にすることを差し控える雰囲気が出ているが、それでも世界を知る層の人々は、米国の懐の深さ、こうしたスポーツなどのイベントにおける世界から尊敬を受ける実施の公平さ、アジア人の松山の勝利を最後のホールに居合わせた米国の人々が心から祝福するシーンに、まだまだ俺たち中国は追いつけないとも述べている。
筆者は今はゴルフはしないが、書物を読み目が疲れているときに、ぼんやりとグリーンをプレイする選手を見ているのは好きだ。中国人は、お前は日本人はまだまだ世界の常識に欠けている、同じアジア人蔑視が時に強いとのたまうが、町に嫌韓書があふれていても、活躍する韓国人プレイヤーの勝利には品よく拍手を送っている。日本人もまんざら捨てたものではないぞとのたまう。コロナの初動での中国の隠ぺい作業からくる世界の中国蔑視を心配するこの反体制派の男は、今、西側特に米で吹き荒れている中国人排撃、それに伴うアジア人全体への排撃の空気の中、こうした快挙、そして、心ある米国人の素直な祝福に心休まるものがあるそうだ。
その知人の友人たちは、米国行きがはかばかしくない中国国内の空気の中、シンガポールなどへの脱出、ビザ申請が盛んだそうだ。最近の日本社会は、コロナ蔓延で閉塞感に覆われているが、こうした中、水泳での池江選手の病後からの覚ましい復活の姿や今回の松山選手の快挙には、心休まるものがある。スポーツのすばらしさを改めて実感する。運動神経の無い筆者はスポーツとは無縁の生活が長かったが、70年代に2年ほど豪に滞在した際、豪では「貧乏人は、牛肉ステーキを食べ、ゴルフをするのだ」と現地の人から言われ少しいじったことがある。
少し慣れると、良いゴルフ場でプレイしたくなった。名門ゴルフ場には、子供が生まれたらすぐ登録していて、社会人として活躍するころ入会の順番が来る、そしてある程度のプレイが出来るかなどの審査を受けてめでたく会員となるのだ。海外から来た人間にそんな悠長は許されない。何とかならないかと悩んでいたところ、知り合いの豪州人の叔父さんが海軍の小さな船の提督をしていた。彼が日本びいきで、地域で3番目ぐらいの有名ゴルフ場への推薦の手紙を書いてくれた。それをもって、面接を受け臨時の会員となることが出来た。知り合いの米の安全保障関連の学者は、豪海軍はあまりあてにならない、アジアではやはり日本の海上自衛隊が頼りだと述べているが、今の日本で自衛隊の護衛艦の艦長の手紙の力は極めて薄い。世界の常識と大分離れている。
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