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2021-04-11 00:00
これからの日本外交を考える
中山 太郎
団体非常勤職員
日本は、米などの支援を受け復興した。その恩返し日本外交のこれからの道を考える4月9日の産経新聞「正論」において、キャノングローバル戦略研究所の杉山大志氏が、米のバイデン政権は、温暖化対策に熱心で野心的なCO 2 削減目標を発表すると憶測されている。オバマ政権がパリ協定合意時に提出した数値目標は2005年を基準として25年までに26乃至28%の削減というものだったがこれを深堀するというものだ。民主党は日本に対し以前から海外の石炭火力事業からの撤退を求めている。そもそも貧しい国々の経済開発の機会を奪うことは道義にもとるのみならず、世界の石炭火力事業の半分以上を手掛けている中国に乗じる機会を与えてしまうと杉山大志氏は述べておられる。
これに全面的に賛成だ。日本の首相の訪米における主要議題は中国の人権・安全保障になると目されている。新疆の人権弾圧については、以前米は目をつぶっていた。ミャンマーに対する政府軍による市民弾圧についても極めて厳しく攻撃している。わが国が忘れてはならないのは、第二次世界大戦で敗北し、世界との国交が断絶した中で飢餓の中苦しむ日本へ、多量のコメを支援してくれたのがミャンマーであったということだ。勿論米の支援の存在は大きくその恩は忘れることはできない。日本は戦後の荒廃の中見事に復活できた。その恩返しの意味で、財政状況が厳しく、国内に様々な課題も山積している中、巨額の政府開発援助を行っている。2019年には2兆600億円以上支出している。米の民主党政権のようにクリアーカットに「民主主義と専制主義の戦い」「人権弾圧怪しからん」と叫ぶよりもう少し穏やかにしぶとい姿勢が必要なのだ。
中国は巨大になりつつある軍事力、経済力を動員して自国有利へ走り勝ちだ。意見交換した某アジアの学者は、米の指導者はよく「法の支配」の大事さを説く。中国における米企業の投資活動への制約の緩和、先端技術移転の強制の排除などを叫ぶ。賢い中国は「はい、わかりました」と法律の制定をする。しかし、共産主義国家ではいかなる大企業でも共産党の支配下にあり、いつでもその行動の自由を奪えるのだ。どうも米の指導者たちはそこのところを理解していないのか、大国としての慢心があるのか、その認識が不十分だ。コロナ退治で共産主義は市民の生活を強制的に制約したりして、その利点を発揮したところがある。しかし、反面弱点も見えてきている。それは中国では選挙の洗礼を受けて指導者が交代するようなことがない代わりに、政権は常に国民の生活を向上させてゆくことで統治の正統性を示し続けなければならないことだ。今までは右肩上がりに国民生活は豊かになってきたが、これからは以前のような経済成長を出来るだろうか、悩ましいところなのだ、と述べたりしている。
日本は、不鮮明であまり格好は良くなくともよいのだから、長い目でアジア全体があまり苦しまないようにきめ細かく動き、アジア各国との協力関係を築き上げていくことが大事だ。米国と、民主主義の価値観を共有するとはいえ、日米はその社会も文化も微妙に異なることは忘れてはならない。米も大事な国だが、中国との経済関係も必要なのだ。これは他のアジア諸国も同じだ。
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