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2021-04-06 00:00
(連載2)北米のアジア系に対するヘイトの今
岡本 裕明
海外事業経営者
つまりアメリカもカナダも政治や通商レベルでの問題がアジア人へのヘイトクライムにつながっているわけです。ただ、こちらに30年近く住んで思う根本的な問題もあります。白人の知的地位が下落し、アジア系が上位を押さえていることです。例えば、やや古い統計ですが、4年制大学の卒業を6年以内で終えた人種ごとの集計ではアジア系74%、白人64%、ヒスパニック54%、黒人40%とあり、学業ではアジア系は概ね優秀であるようにみえます。
またそれ以上に移民システムに問題があります。カナダは人口の1%以上を毎年移民として受け入れるわけですが、知的優秀ないし技術的能力を持つ比較的若い人であることが要件なのでこのやり方を継続すれば人種間の能力構成がいびつになるのは自明なのです。言い換えると白人社会である北米での移民権取得にはカネや名声がある家庭で優秀な成績、言葉もできる非白人系が積極的に受け入れられやすいともいえなくもないのです。
そして白人が主導権を握ってきた経済運営や会社経営、政治家でも、アジア系などがじわじわと増えて(除く日本人)おり、その存在感が増していることは事実です。一方、街中のホームレスでアジア系を見ることはほとんどありません。この辺りのじわっと寄せる格差がヘイトクライムを引き寄せる緊張感につながっているように感じるのです。もう一つは、白人は一般的にガタイが大きく、アジア人やヒスパニックは小さいことが挙げられます。この身体的差異は黒人がアジア人にヘイトクライムするケースが見られることからも無視できない重要な要素です。
北米の白人にとって日本人も中国人も韓国人も区別がつきにくいとされます。最近は日本人の比率が減っているので一目で私を日本人と見抜いたケースは最近あまりなく、韓国人や中国人と間違われ、白人がわざわざ私に「アニョハセヨ」とか「ニーハオ」というのです。日本人と知ると態度が変わる人が多いのも事実でヘイトクライムになりそうなとき、日本人であることを示すことはもしかしたら防御策になるのかもしれません。問題の根源は白人社会の没落、これが根本理由の可能性は大いにあると思っています。(おわり)
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