ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2007-07-16 00:00
連載投稿(4)東アジア共同体構築をいかに推進するか
廣野良吉
成蹊大学名誉教授
こうした論点とは別に、東アジア共同体構築のあり方に関する提案もなされている。その主要なものには、次のようなものがある。
まず、世界における米国の経済的・政治的・軍事的優位性を考慮に入れつつ、ASEANプラス3(APT)は、現在EUとの間に定期的に開催している「欧州アジア協力会議」と同様の集団的協力会議を米国との間で持つことが望ましいという提案がある。こうすることにより、単に米国の東アジア共同体に対する「閉鎖性」という懸念を緩和できるのみならず、APTを対外的に開放的にすることによって、東アジア諸国もまたグローバル化の経済的・非経済的便益を一層享受することが可能となるという主張である。
また、東アジア共同体構築に向けたアプローチに関する提案もなされている。例えば、東アジア諸国は、東アジア共同体の構築に向けた研究調査活動や外交活動を重ねるだけでなく、ASEAN経済共同体・社会共同体・安全保障共同体の構築を側面から支援する活動を共同して強化したほうがよいという議論がある。これは、ASEAN共同体支援活動を通じてASEANを強化したほうが、結果的に東アジア共同体構築のための環境整備が促進されることになるという発想である。
一方、あらゆる機能的分野での研究調査活動や交流活動を同時並行的に推進して、すべてが整ったところで、東アジア共同体の発足をAPT首脳会合に提案するというのではなく、たとえば、貿易・金融・投資・環境等のなかから優先分野を選択し、その分野での合意・結論・提言を尊重し、その分野での東アジア共同体の構築を進めていって、他の機能的分野での協力は、これを徐々に付加していくという方法も提起されている。(つづく)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会