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2021-03-16 00:00
(連載1)露憲法「領土割譲禁止」と平和憲法
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
「北方領土問題」をロシアが仕掛けてきている。「ロシア外務省のザハロワ情報局長は北方領土をめぐる日本との交渉について、ロシア憲法に『領土割譲禁止』が明記されたことから、『いかなる形であれ、このテーマは議論すらできない』と主張した。(中略)対日関係に関しては、プーチン大統領も10日のロシアメディア幹部との会見で、『発展させたいし、そうするつもりだ。しかし、憲法に反することはしない』と発言。プーチン政権は憲法を理由に北方領土交渉を拒否する姿勢を強めている。ザハロワ氏は平和条約締結に向けては『交渉する用意がある』と表明。領土問題を抜きにして平和条約締結を目指す考えを改めて示した。ロシアで昨年7月に全国投票を経て成立した改正憲法は『領土割譲禁止』の条項が盛り込まれた。」(2021年2月19日、時事通信社)
さて、日本のあまり国際社会のことを考えていない人々は、往々にして「憲法9条は平和憲法の根幹」というようなことを言う。現行憲法が平和憲法であるということは間違いがないのである。だが、「平和」というのは多くの人が努力をして争い事がないように力を尽くすことで生み出される現象であり、日本が交戦することがないまま戦後を歩み続けても、世界は戦争だらけで平和ではないということが長年続いてきた。
つまり、意地悪な言い方をすれば、「日本は平和憲法を持っているから、戦いません」と高らかに宣言することは、そのまま「日本以外の国が戦いにまみれてしまっても、日本は見て見ぬふりをして全く関与しません」という解釈をされうるメッセージを示しているのであり、日本人は気付いていないかもしれないが、世界各国には「平和に貢献しない日本」という側面も見えているのである。
そのことは様々な意味で「世界の国々から異端視」されている。例えば、中国の南シナ海進出や中東で起きたISのテロ問題などに関して、中東の石油資源地帯から様々な恩恵を受けているのは日本も含む先進国である。しかし、その石油の恩恵にもかかわらずそこの治安維持やテロとの戦いに参加しなかったのは日本だけである。その理由は、「憲法に9条があるから」である。しかし、その憲法9条を斟酌しない国々は、「自国兵士の命を失って守っているはずの平和にもかかわらずなぜ日本人は自衛隊員の命を盾にして守らないのか」となるのである。(つづく)
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