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2021-03-05 00:00
(連載1)ジェノサイド問題がキーとなる
岡本 裕明
海外事業経営者
ジェノサイド(Genocide、集団殺害)という言葉をご存じでしょうか?ウィキに端的な説明があります。「国家あるいは民族・人種集団を計画的に破壊すること。ジェノサイド条約第2条によれば、国民的、人種的、民族的、宗教的な集団の全部または一部を破壊する意図をもって行われる行為のこと」とあります。語源はナチスによるユダヤ人虐殺が行われていた1944年にユダヤ系ポーランド人によりつくられた造語であり、1948年には国際連合でジェノサイド条約が採択、51年に発効しています。
では歴史的にジェノサイドにあたるとされる虐殺はどれにあたるか、であります。初のジェノサイドを理由とした判決は1998年のルワンダの虐殺に対する国際刑事裁判所での判決でした。ルワンダ虐殺は同国において少数民族のツチ族を50万人以上虐殺したものです。また、アメリカが初めてジェノサイドを公にしたのが2004年のコリン・パウエル国務長官(当時)によるスーダンのダルフール紛争で非アラブ人への虐待であります。また16年にはジョンケリー国務長官(当時)が、ISによる民族浄化があったとしています。
しかし、こう見るとジェノサイドと指摘される事案はどうもはっきりしないようです。歴史上の事件、例えば1930年代ウクライナでのソ連によるホロドモール、ナチスのホロコースト、旧ユーゴスラビアの紛争、オーストラリアのアボリジニ、オスマン帝国のアルメニア人虐殺、そして中国による少数民族弾圧(ダライラマや新疆ウイグル問題)とされますがリストには候補としてあがるものの断定には至っていません。また中国の法輪功に対する弾圧はカナダの一部の研究ではcold genocide(人々に察知されにくいジェノサイド)としています。
こう見ると確かにたくさんあるようなのですがなぜ、ジェノサイドが一義的に決められないかといえば明白な定義がなく、観念的であるがゆえに、第三者による確証も難しいからでしょう。よってどこかの国や研究機関がジェノサイドだといってもそれが必ずしも実証に至らないのです。ところで世界では152か国が批准しているジェノサイド条約ですが、日本は入っていません。理由は、条約締結国はジェノサイドと認識された対象(国)に対して日本の国内法による処罰をする必要があるのですが、国内法が完備されていないというのが理由です。(つづく)
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