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2021-03-03 00:00
(連載2)追求すべき尖閣諸島領有権確認訴訟の道
倉西 雅子
政治学者
その一方で、国際法秩序の観点からしますと、たとえそれが大国であっても、特定の国による支持のみでは領有権問題が完全に解決するわけではないという、厳しい現実があります。アメリカ政府が、尖閣諸島を日本領として正式に認めたとしても、中国が、同諸島に対する領有の主張を取り下げない限り、主権をめぐる問題は燻り続けるのです。
それでは、どのような状況になれば、日本国による尖閣諸島の領有権が確立するのかと申しますと、それは、国際司法制度の利用をおいて他にないように思えます。親中派の人々であれば、合意による解決、即ち、日中間の外交交渉による解決を主張するでしょうが、尖閣諸島に関しては、天然資源の獲得を目的とした中国による一方的な領有権主張に端を発しています。
一般社会における事件に喩えてみれば、突然に、隣家の住人が垣根を越えた庭の一部を自分の土地として主張し出したようなものです。こうしたケースであって’話し合い解決’を選択しますと、隣家の住人が何も得ずして引き下がるはずもなく、脅迫や威喝を通して、全部とは言わないまでも、庭の一部の所有権を得ることとなるかもしれません。これでは、法秩序は破壊されますので、話し合いによる合意解決は悪しき選択なのです。
司法解決が最適解であるとしますと、日本国政府は、先ずもって国際社会に向けて自国が平和的な解決手段として司法解決の準備がある旨を公式に表明すべきように思えます。そして、訴訟の形式も、国際司法機関から不本意な’和解勧告‘を受けないよう(チャイナ・マネーによる裁判官買収のリスクあり…)、領有権確認訴訟とするか、あるいは、フィリピンが南シナ海問題に関して常設仲裁裁判所に訴えた際の手法に倣い、中国公船による尖閣諸島周辺海域における活動の国際法上の違法性を訴えるという間接的な方法も検討されましょう(国際司法裁判所よりも単独提訴が可能な常設仲裁裁判所の方が望ましい…)。日本国政府による司法解決の追及は、野蛮への転落が危惧されている今日の国際社会にあって、法の支配を確立するための一助となるのではないかと思うのです。(おわり)
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