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2021-03-02 00:00
(連載1)追求すべき尖閣諸島領有権確認訴訟の道
倉西 雅子
政治学者
海警法の制定により、尖閣諸島周辺海域では、中国海警局の動きが活発化してきております。不測の事態に備えるべく、日本国政府も海上保安庁の巡視船等における武器使用の要件緩和に向けて動き始めました。こうした中、同盟国であるアメリカは、尖閣諸島の領有権に関する見解を二転三転させています。それでは、日本国政府は、アメリカの一連の動きをどのように理解すべきなのでしょうか。
尖閣諸島に対する近年の諸政権におけるアメリカの立場は、およそ’日本国の施政権は認めるものの、主権の所在については立ち入らない’というものでした。とりわけ、歴代の民主党政権下にあってこの傾向が強かったのですが、バイデン政権が発足しますと、同政権は、’主権に関する日本国の主張を支持する’と表明し、アメリカもまた、尖閣諸島が日本国領であるとする立場に転じるのです。この転換、領土問題の観点から見ますと、’領土問題はある’から’領土問題はない’への180度の逆転となるのですから、決して小さなことではありません。
もっとも、同方向転換は、僅か数日の間に過ぎず、バイデン政権は従来の立場に回帰してしまいます。政権が発足してから日が浅く、担当者が、尖閣諸島に関する従来の政府見解について詳しく調べずして発言してしまったとも推測されます。あるいは、海警法制定以降の尖閣諸島周辺海域における中国側の積極的な活動を牽制すべく、日本国寄りの立場に一歩踏み込んだものの、中国から非公式の抗議を受け、元に戻さざるを得なくなったのかもしれません。
何れにしましても、アメリカ政府による尖閣諸島の日本領支持は、残念ながら幻に終わってしまったのですが、日本国政府は、現実を直視し、ここで次なる方策を考えるべきように思えます。もちろん、トランプ政権末期にあってポンペオ国務長官が台湾の独立承認を目指したように、将来の政権が正式に尖閣諸島を日本領と認める可能性はありましょう。(つづく)
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