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2007-07-15 00:00
連載投稿(3)東アジア共同体構築のペースを速めよ
廣野良吉
成蹊大学名誉教授
ASEANプラス3首脳会合や東アジア・サミット(EAS)の準備のための関係各国の一連の国内外活動(NEAT活動を含む)が、各国の政治家、企業人、官僚、研究者等にとって重要な意義があることは疑いない。わが国においても、NEAT総会の準備のために各国主催の作業部会がどのような研究と具体的な提案をしているのか、他の国々はどう反応しているのか、またNEAT年次総会の結論と提案はASEANプラス3首脳会議の宣言にどのように反映されるのかなどについては、日本国際フォーラムや東アジア共同体評議会(CEAC)の会員が重大な関心を払ってフォローしている。
これら一連のNEAT関連研究会合や国際会議の成果については、国際的および国内的政治経済情勢の変化のなかで、会員はそれぞれに独自の判断をしていることであろう。もちろん、他のあらゆる団体と同様に、日本国際フォーラムはその理事会、運営委員会等で、CEACはその正副議長会、運営本会議等で、それぞれに自己の活動の定期的な点検をしていることは周知の通りである。しかし同時に、東アジア共同体構築に向けての現時点での関係各国の動きについては、国内外においていろいろな批判、問題提起、提案等がなされていることは、書籍、論文、マスコミを通じてのみならず、CEACの政策掲示板「百家争鳴」を通じても判明している。
そのうち、主要な論点としては、第一に、毎年同じことの繰り返しで、東アジア共同体構築のペースは余りにも遅いという指摘がある。これがいわゆる「アジア流」かもしれないが、東アジア諸国は、急速に進展するグローバル化の「光」を最大化し「陰」を最小化するためにも、もっと構築の速度を速める必要があるという論点である。たしかに、欧州連合(EU)の25カ国への拡張、米州諸国の「米州自由貿易地域協定」締結への動き、ロシア・中国による上海協力機構(SCO)の活動強化などを考慮すると、東アジア共同体構築へ向けた動きは余りにも緩慢、消極的であると言えるかもしれない。
これに加えて、第二に、東アジア共同体構築に向けてのASEANプラス3とEASという二つの首脳会議の有機的関係と役割がわかりにくいという批判がある。東アジア共同体の構築にとっては、二つの首脳会議を統合したほうがよいという意見である。(つづく)
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