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2021-02-22 00:00
(連載1)台湾、新型コロナ禍の中の「優等生」に注目せよ
李 鋼哲
大学教員
新型コロナ禍のため、渥美国際交流財団が今年8月予定のアジア未来会議(AFC)は次年度に延期せざるをえなくなった。ところで、台湾のコロナ禍の状況はどうなのか?台湾の経済などは一体どうなっているのか?筆者は最近米中貿易戦争の中の台湾、コロナの中の台湾についての関心が高くなり、自分の独特の視点で台湾を論評したいと思った。
大陸出身である筆者は台湾に2回訪れたことがある。第1回目は2000年8月、東アジア総合研究所(一般財団法人、東京)が主催する国際シンポジウムが台北で開催されたが、筆者は当時事務局長(アルバイト)を務めていた。中国籍だったので、台湾に行くには厳しい審査があり、入国許可申請を1ヶ月前に行ったが、許可されるかどうか、全く見当がつかずに待っていたが、幸い出発3日前に許可が下りた。国際会議は無事に終了、翌日は新竹サイエンスパーク見学に行ったが、強い台風のため、見学できずに戻ってきた。日本からは故金森久雄(当研究所顧問)先生を始め有名な学者が多く参加したが、3日目に一行約30名は李登輝元総統のオフィスを訪れ、2時間くらい自由に歓談したのが一番印象に残る。
その後、2016年3月に、高雄市にある文藻外語大学に招待されて「ワン・アジア財団」講義を行ってきた。この時は日本国籍になっていたので、ビザも要らず、小松空港から台北の桃園国際空港までの直行便を利用。6日の日程で、高雄と台北での見学がゆっくりできた。高雄港の見学で初めて「高雄」地名の由来を分かった。この町は日本統治時代には「打狗」(タコウ、犬を打つ)という町だったが、その読み方が日本人には「たかお」という発音に似ていたので、「高雄」に変更したという逸話を聞いて、なるほどーと、頭でうなずいた。その他にもいろいろ見物したが、台北では国父記念館を訪れ、「中華民国」の歴史と国父孫文についていろいろ勉強になった。
話を本題に戻して、台湾のコロナ禍事情はどうなんだろう?コロナ禍対策で世界一番優等生だということはニュースなどでも知られているが、その実態はどうなのか?1月30日の日本経済新聞の報道によると、台湾の衛生福利部(厚生省に相当)中央感染症指揮センターは、30日の発表で新型コロナウイルスに感染して80代の女性が29日に死亡したことを明らかにしたが、死亡者が出るのは2020年5月以来、約8カ月ぶり。台湾は、新型コロナの感染拡大を長く抑えていたが、21年1月に入って台湾北部の桃園市の病院で院内感染によるクラスター(感染者集団)が発生した。新型コロナの治療を担当した医師や看護師、その家族が次々と感染し、これまでに19人の感染が確認されている。死亡した80代の女性もこのうちの一人だった。台湾では、2月10日から16日まで春節の大型連休を迎える。帰省など人の往来が増える時期と重なり、当局の警戒感は一段と強まってきた。台湾の感染者は累計わずか909人、死者は8人だという。(つづく)
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