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2021-02-17 00:00
(連載1)膨張する中国への包囲網
岡本 裕明
海外事業経営者
3年ぐらい前にある外交官と談話している際に日本をどう守るか、という話題になり、私が「第二日英同盟」を結ぶぐらいの英国との関係改善を目指すべきと意見しました。くだんの外交官は「今更、英国?それはない、ない」と手を振りながら否定します。私は「英国ほど日本と相性の良い国はないのにその価値をずっとおざなりにしていて戦中戦後はドイツが真面目な性格故に日本と合うという勘違いを続けてきた」と言い切りました。英国と日本のウマが合う理由、表層的には王室、島国、大陸との微妙な距離感、奇妙なプライド等々上がると思います。お互い、非常に自尊心が高く、必ずしも他人(他国)と仲良くするのが得意ではなく、地道になんでも自分でやろうとするところなどはそっくりなのであります。また、筆者が時々表現する狩猟民族と農耕民族という点において英国人が農耕民族だとは思えないのですが、島国という枠組みからどうにかして外に出ていくことを考えているという点では日本は狩猟的性格も持ち得ています。
その英国がTPP11に参加表明をしたことで中国をビビらせているという日経の編集委員記事に共感を覚えました。「習近平TPP戦略に思わぬ壁、英国『脱欧入亜』の衝撃」というタイトルは、膨張する中国への大きな対策の一つとなるでしょう。ただ、TPP11が発効した後、貿易量がどれだけ増えたのか、改めて検証する必要はあります。コロナで統計的数字に歪みが生じているはずですからそのまま数字を読み込むことはできませんが、肌感覚として発効後のフォローが悪いという気がしています。英国が加入するにあたり、もっと意味があるテーゼを持たせるべきでしょう。
産経には「『台湾海峡で戦争の危険性』台湾空軍・前副司令官、離島攻撃リスク指摘」という記事があります。今の状態は一触即発ではないけれども確実にそのリスクは高まっており、中国による3つの侵略があり得るとしています。中国漁船を取り締まる台湾の公船に中国の海警船が攻撃するケース、台湾が実効支配する東沙(プラタス)諸島などを占拠するケース、台湾本土上陸のケースであります。
台湾の場合、アメリカが後ろ盾になることをバイデン政権が継承しているので台湾が代理戦争の当て馬的な形に見えなくもありません。ただ、台湾も昨年の香港の民主化運動の顛末を見てしまっている以上、中国が本気を出せば同様の結果になると恐れています。また、バイデン-習近平電話会談で、習氏が香港、台湾、ウイグルという「核心的利益」を譲歩しない姿勢を明確にしています。(つづく)
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